平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

『ちえうみPLUS』に掲載されました!

学びと実践を深める新しい仏教メディア『ちえうみPLUS』の、「つらぬく人」というコーナーで取り上げていただきました。ラグビーのみならずスポーツにまで視野を広げ、さらに深掘りして身体論を研究している身として、この上なく光栄に思います。

大学で担当する授業の内容とそれへの創意工夫、研究の道に歩みを進めた理由、人を育むスポーツのあり方、現役を引退して10年にわたってまとわりついていた不全感、学校体育の課題なんかについて語っています。

日々、ラグビー選手時代に身体を通じて感受していたものを、ひとつひとつ分析しながら言語化を試みているのですが、インタビューを契機にそれらを整理することができたような気がしています。ようやくここまで語れるようになったというのが、読み返してみて感じているところです。

お暇なときにご一読くださればうれしいです。

つらぬく人|第12回 平尾剛さん(ちえうみPLUS)

https://chieumiplus.com/article/tsuranuku-hiraotsuyoshi

 

『VIDEO NEWS』にアップされました!

ビデオニュースから取材依頼があり、神保哲生さんとじっくり話をしてきました。この問題に関して、ラグビー関係者はもちろんですが広く社会全体で議論するべきです。

先日、ラグビー選手時代の後輩と飲みながら話をしたのですが、長期的なビジョンが見えない、つまり理念がないことに彼も苛立ちを隠せない様子でした。リーグワンおよびラグビー協会は、この先、日本においてラグビーをどのように根付かせていくのかについて、ビジョンを示していただきたい。ラグビー界の周縁にいる私ですが、いやだからこそ、これからも忌憚なく意見を述べていきます。

 

日本で育った選手」とは誰なのか 理念なきラグビー・リーグワンのカテゴリー制度変更が壊すもの

https://www.videonews.com/interviews/20260714

ドタバタな日々を乗り越えたぜ報告と、告知を4本。

6月頭から続いた忙しさがようやく落ち着いた。講演が4つに取材が5つ。さらには来月発売される書籍に、学内プロジェクトの研修会および所属学科の先生に声をかけられてのゲスト講師など、授業や会議といった恒常的な業務とは別に、これだけの仕事をこなしたわけである。我ながらよくやったよなと自分で自分を褒めとかないと、やっていられない。てなわけでここでこれみよがしに書いている次第である。

どの仕事も先方から求められてのものだから、ありがたいことこの上ないのだけれども、ただこれだけ重なると疲弊もする。アウトプットする機会ばかりだと、なんだか自分が干からびていくような、言葉が枯れていくような、そんな感じがいまはあって、しばらくは読みかけの本や積読本を手に取りつつ、ちょいとペースを落としながらゆっくり日々を過ごしていきたいと思っている(ならばブログなんか書かずに読書に耽ったらいいのに、というツッコミはなしで)。

この間に取材された内容が記事になっているので、それを以下に貼り付けておきます(リンクは写真の下部に)。アップロードされて間もなく、Xとfacebookで告知をしたんですけど、SNSだと流れていってしまうんですよね。せっかく頭を振り絞って言葉にした内容が、あっという間に過去へと投げ捨てられるのはやはり忍びないし、僕自身がやりがいを感じられない。てなわけでこれからはブログで告知することにします(で、さらにブログをSNSで告知すると)。

ぜひとも一読いただければうれしいです!

 

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https://co-coco.jp/series/interview/tsuyoshihirao_akinanoguchi/

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https://shueisha.online/articles/-/257880

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https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/interview/hirao_tsuyoshi/35744

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https://mainichi.jp/articles/20260711/k00/00m/050/002000c

 

これ以外にあと2つ、アップロードを控えている記事等がありますので、機を見てまた告知させてもらいます。どうぞよろしゅうに。

 

過密スケジュールを前に武者震い。

前期も半ばを過ぎようとしている。いい具合に温まってきた授業もあれば、まだエンジンがかかってこない授業もある。昨年に比べるとリアクションに乏しい学生が多いように見受けられ、伝わっているのかいないのかが聴講態度を観察していてもどうにも掴みづらい。毎回必ず書いてもらうコメントペーパーからは、それなりに伝わっていることが読み取れるものの、それを話をしながら把握できないので講義後にため息が出ることもある。学生からの瞬発的なリアクションを求めない。そう自戒してずっとやってきたから、この類の脱力感はわりとラクにいなせるのだけれども、時と場合によっては時間がかかることもある。マルチタスクによる疲れが心身を直撃しているときとか、寝不足のときとか、気圧の変化による影響で首や背中に怠さを感じるときとかに、である。つまりはこちらの体調によるのだけれども、どこまでいっても、何歳になっても、承認欲求なるものは意外なところで頭をのぞかせてくるものなのだなと思う。

そんなことを考えながらスケジュール帳に目をやると、またまたため息が口をついた。6月の半ば過ぎまでびっしり予定がつまっていることを、あらためて目の当たりにしたからである。忙しいというのはそれだけニーズがあるってことだから、ありがたいことこの上ない。とはいえ、いつもとは違った筋肉を使うことになるので身体モードの切り替えをしなければならず、それなりのエネルギーを要する。てなわけで、このモードの切り替えをスムースに行うために、また自分のなかで整理する意味でも、どんな予定が待ち構えているのかをざっと書き記しておきたい。

まずは、とある出版社からの取材が一つ予定されている。内容は例のラグビーリーグワンの選手規定変更についてである。『スポーツウォッシング』のときにお世話になったライターさんと久々にお会いできるのはうれしい限りで、あれこれ思いの丈を話そうと思っている(記事になったときにはみなさまにご報告いたします)。続いて伊勢原スポーツデイ。これは成城大学恒例のスポーツ大会で、準備を含めると土日まるまる使う。今年も教職員チームの一員としてソフトボールに出場することになりそうで、久しぶりにバットを振り回してやろうと意欲満々である。

来週は、新刊本の初校ゲラの赤入れとあとがきの締切がドーンと控えている。スポーツに励む中学生に向けた内容で、彼、彼女たちの悩みやモヤモヤを解消すべくあれこれ話をしている。「話をしている」?。そう初めての聞き書き本なのだ。8月初旬に発売予定なので、手に取っていただければとてもとてもうれしい(こちらも詳細についてはあらためて報告いたします)。

それからもう一つの大きなイベントは、大阪でスポーツ関連の講演。久しぶりの大阪出張だから、講演後に何年も会っていない後輩と食事をする約束をしている。積もる話をたっぷりしてこよう。そしてその翌週はなんと講演が2つ。パイロット教育に関する研修で講師を務めるのと、とあるスポーツ団体の設立を記念したスポーツ関連の鼎談が予定されている。

2週間で3本の講演はおそらく初めて。繰り返すがこれだけニーズがあるのはよろこばしいことだから、嫌がっているのではもちろんない。ただ、先ほども述べたようにモードの切り替えをこまめにしなければならず、つまりそれ相応の体力がいるわけであって、いうなれば武者震いしているのである。当然のことながらこの間には講義も会議もあって、懇親会や学内プロジェクトの打ち合わせ&飲み、それから私淑する先輩とのランチと、昼も夜もびっしりで、おいおいオレは乗り切れるのかという不安は、まあなきにしもあらずである。

こんなにも予定を詰め込んだお前が悪いと突っ込まれれば返す言葉もないのだけれども、お座敷がかかったら断らないというモットーで仕事をしているのだから、タイミングがかち合えばこんな事態にもなりうるのは必然である。そんなことくらい当の昔に覚悟はできているのものの、いざその過密さを前にすれば、やはり、ちょっとはビビるってものである。

さーて、突っ走るとしますかー。

 

資料の文字化けに驚くも。

とある講義で使用するパワポ資料を開いたら、貼り付けていた画像が表示されず、ほとんどが文字化けしている。唖然とした。講義3コマ分ほどの内容が詰まったこのパワポ資料があれば前期の序盤はいけるなと、高を括っていたからである。こんなことは初めてだし、いったいぜんたいどないなっとるんやと心のなかで一人ごちながら、仕方がないのでその残骸を眺めつつ記憶を辿って作り直すことにした。

すると意外にもスムーズに再現ができた。いや正確には完全な再現ではないのだが、その分、新たにスライドを加えたり文言を加筆修正したので、以前とはやや異なる資料になってしまった。でもまあほぼほぼ元に戻ったといっていい。この資料が東京五輪2020大会に関する内容で、これまで講義や講演で何度も話をしてきたので、しつこく記憶の底にこびりついていたのでしょうな。なんと小一時間ほどで作成完了。これでなんとか明日の講義を心穏やかに迎えることできる。

明日から講義も3週目。学生に書いてもらったコメントペーパーのフィードバックも始める。短絡なようで率直な、単純なようでいて端的な意見の数々はどれも傾聴に値する。それにワクワクする気持ちを忘れないように、今期もまた講義を進めていこう。

 

SGE主催のシンポジウム&掲載記事のお知らせ。

スポーツとジェンダー平等国際研究センター主催のシンポジウムが3月に開催されました。全部で3部構成になっており、スポーツをじっくり考えるためのテーマが設定されています(詳しく知りたい方はリンクをクリックしてください)。

僕はそのうちのひとつ、「スポーツ・クリティシズムの挑戦ーーーーー身体はどこまで知っているのか?」に登壇しています。

             →https://youtu.be/CUMTl-akSkA?si=LKaT43NvoPd-PiEU

当日の様子がYoutubeにアップロードされましたので、ぜひご覧ください。スポーツについて書き、話すときの態度を示す「スポーツ・クリシティズム」は、肥大化するスポーツに歯止めをかけ、その健全性を取り戻すためのキーワードになると考えています。


それから一緒に登壇した田原和宏さんがシンポジウムの様子を記事にしてくれました。
併せてお読みいただければと思います。

mainichi.jp

mainichi.jp

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懐かしく目を細め、怪訝に目を細める。

本日は初等学校の入学式。講義を終えて研究室に戻る道中、綺麗に着飾った家族が子供と手をつないで歩いている姿をたくさん見かけた。初等学校から最寄駅の成城学園前駅に向かうには、キャンパス内を横断する必要がある。あたたかな陽射しを浴びながら、ちょっと得意げな表情を浮かべる親と子供を眺めながら、昨年は僕もその内の一人だったんだよなと目を細めた。あれから1年…。決まり文句中の決まり文句だから書くのが憚れながらも、つい書いてしまうのだが、トキガタツノハホントウニハヤイ。

午前中の授業が終わってすぐ、湊川にある行きつけの鮨屋の店主からラインが入る。イランとアメリカが即時停戦で合意したと、NHKが速報を打った旨を知らせてくれた。肩の力が抜けるとともに、4月10日にパキスタンで行われる両国間の協議が何事もなく進むことを願う。

この地球上で戦争が行われているという現実は、戦地にいる人たちの生活や命を脅かすとともに、そこから遠く離れている私たちの心をも削り取る。ミサイルが着弾した瞬間の爆音と砂煙、爆撃で破壊された建物や街並みに、血にまみれながら苦悶の表情を浮かべる人たちなどが、スマホやPCの画面に映し出され、それら映像を目にするたびに眉間に皺が寄り、胃が締め上がる。それに追い打ちをかけるかの如く、独裁的指導者の非常識で口汚い言葉の数々が畳み掛けてくる。

怪訝に目を細めて首を横に振り、ため息が出る。気がつけば無意識のうちにそんな仕草をしている。

今いるこことは遠く隔たった場所での出来事が、身体のある今ここにある現実に、リアリティを伴って侵入してくるわけだ。こうなると現実世界に戻るまでにそれなりの時間がかかる。想像力の広がりとともに遥か彼方へと向いた意識を今ここに引き戻すのは、僕にはそう簡単なことではない。

授業の準備のために開いたノートに視線を落とし、ときおり頭を上げてパソコンの画面を覗き込む。この一連の作業に集中すべく、心を整えなければならないのだが、脳裏に焼きついた凄惨な動画や情報がそれをことごとく邪魔してくる。振り払おうにも振り払えない。煙草を吸いに喫煙所まで歩いたり、好きな本の、付箋を貼ったお気に入りの箇所を読み返したり、デスク周りを整理したり、ゴルフクラブで素振りをしたりと、どうにかこうにか工夫を凝らしたあとになって、ようやく吹っ切れる。たぶん、ほとんどの人はこの切り替えを難なくこなしているのだろうが、僕にはまだそれがうまくできない。

共感体質なのか。いやそうじゃない。ただたんに鈍臭いのだろう。知覚した情報に捉われてしまっているわけだから。もしかするとこれはある種のアスリート体質なのかもしれない。あらゆる情報をつい感性的に受容してしまう。それゆえに、そこで揺れ動いた感情や感覚が余韻を引く。波打った感情や感覚を、頭で押さえつけることは相当に難しい。というか不可能だ。

こんなんじゃ、からだがいくつあっても足りない。さらりとまでいかずとも、なんとか身をひるがえして受け流す術を身につけたいものだ。