平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

2011-01-01から1年間の記事一覧

「ハンガーノック」だったのかも。

今日もまた神戸マラソンのお話です。 30kmにも満たない地点で歩き始めてしまったことは昨日のブログで書いた。鉛のように固まってしまった両脚を引きずりながらかろうじて完走したことは周知の通りだが、その様子をブログで読んだある方からツイッターでアド…

2011'神戸マラソンを走り終えて。

「参りました」というのが正直な感想である。マラソンに求められる身体能力とはいかなるものかを探ろうとしたが、そんな余裕があったのはちょうど半分を過ぎる辺りまで。「30kmの壁」があれほどまでに分厚いとは夢にも思わなかった。何とか完走はしたものの…

2011’神戸マラソン前夜に。

いよいよ明日は神戸マラソンである。当日までまだ時間は充分にあると思っていたら、あっという間に前日になった。いつもと同じ時間に目が覚めてすぐに内田樹先生の『呪いの時代』を読み、二度寝したあとマラソンウェアを買いにぶらぶらと出かけ、友達の結婚…

嫉妬されるのはモテてるってことで。

______身体への意識は、ひとたび不調になった途端に急激に高まる。筋肉痛とか発熱による節々のぎこちなさとか頭痛とかが襲っているときは、いやが上にも身体に縛り付けられる。これはもしかすると、あまりに放置されたが故の、身体からの嫉妬なのかも…

磨き上げる、研ぎすます。

こんなことも知らずによくも今まで“のほほん”と過ごしてこられたな、と思うことがたまにある。真実なることを知ってしまったが故に、これまでの自分が恥ずかしく感じられる。あのときはよくも偉そうに断定できたものだなと、全身からいやーな汗が出てきてが…

いつもと同じ、ってこと。

また1週間が始まった。いつものように迎える月曜日を、いつものように過ごすことで心と身体にスイッチが入るような気がする。朝から今週分の講義内容の見通しを立てて、ひとつひとつを準備していき、昼過ぎにはラグビーサークルの学生たちとともに1時間ほ…

ラグビーとの対話「其の20」くらい?

あれよあれよという間に10月も半ばを過ぎてしまった。時間というものは早くなったり遅くなったり、時にはたわんだりして、本当に気ままなヤツである。時計の前でじっと秒針をじっと見つめている時と、学生と話をしたり読書に夢中になっている時とでは、時…

ラグビーW杯、決勝トーナメントの展望。

ラグビーワールドカップ。いよいよ今週末から決勝トーナメントが始まる。決勝に残った顔ぶれはほぼ予想通りだが組み合わせがまったくの想定外なので、なんだかとてもドキドキしている。もしかするとこれまで優勝経験のない国が勝ち切ってしまうのではないか…

連載終了にあたっての挨拶。

秋を通り越して初冬のような一日もすっかり暗くなった。山を越えて神戸市の北に位置するここ鈴蘭台は、すっかり冬の匂いが漂っている。ひとつ前に身体観測第127回目分を更新した。読んだ方はわかると思うが、今回を持って連載を終了することになった。思…

「スポーツを語る言葉」身体観測第127回目。

ラグビーW杯が開催中である。各国の真剣勝負に思わず拳を握りしめるほどの興奮を味わいながら、テレビ画面にかじりついている。ラグビーは面白い。むしろ現役を退いてからの方が強く感じる。思い返せば、現役時はここまで前のめりになって試合を見ることはな…

「GPSの導入に一言」身体観測第126回目。

練習中の選手に小型のGPSをつけて総走行距離や加速度を測定する技術が、スポーツ現場に浸透しつつある。乳酸値や心拍数の変化まで測るというから驚く。ベンチプレスやスクワットなどの筋力測定や50m走やシャトルランなどの体力測定。これら旧来のものに加え…

強いチームには哲学があるということだ。

21日のトンガ戦は残念だった。わざわざ相手の強みを生かすようにも思える戦い振りに、地団太を踏みながらテレビ画面に見入っていた。トンガの強みはブレークダウンにある。タックル後のボール争奪局面では強靭な体躯を生かして無類の強さを発揮する。それ…

いちおうNZ戦の感想を。

「やはりオールブラックス戦について書かないとアカンかなあ」という後ろ向きな気持ちが、ブログの更新を思い止めていた。日本代表の戦い振りを自分なりの尺度で解釈しときたいし、また、講評を期待してくれているラグビーファンに向けて語る義務もあるから…

オールブラックス戦を前にして。

16日に日本代表と対戦するオールブラックスのスターティングメンバーが変更された。この試合に出場すれば100キャップとなる世界的な名プレイヤーのリッチー・マコウと、長らくオールブラックスのFB(フルバック)として活躍し、W杯後はNTTドコモに加入…

ラグビーW杯2011、フランス戦を終えて。

ラグビーW杯が開幕してからというもの、生活の中にラグビーのにおいがぷんぷんしている。テレビやパソコンの中もラグビーのにおいで充満している。ツイッターのタイムライン上にラグビーの話題がちらほらみつかるのは言わずもがなで、ラグビー漬けのここんと…

「一体感」や「つながり」への想像。

気がつけば明日からはもう9月。暦の上では秋の到来だが、まだまだ厳しい暑さが続いている。朝夕は随分と涼しくなったが。夏休みといいながらなんだかんだとやることが多い。ラクロス部の公式戦が始まるこの時期は毎年バタバタ過ごしているが、特に今年はバ…

2011年度女子ラクロス関西リーグ開幕。

2011年度女子ラクロス関西リーグが開幕した。我が神戸親和女子大学は、昨年度は1部リーグで戦いながらも成績が振るわず2部リーグ降格の憂き目にあったので、今年度の目標はもちろん再昇格。実力的にも各大学がひしめき合っている現状において一筋縄で…

ある気づきがもたらしたブレークスルー。

夏合宿明けの初めてのラクロス練習が午前中にあったので大学まで足を運ぶ。4日間の休みを挟んだ後の練習なので心と身体の切り替えが難しいだろう。とは言え関西リーグの初戦がこの日曜日に控えているので、「まあ、いいか」などと呑気に構えてはいられない…

「伊良部氏への追悼」身体観測第125回目。

伊良部秀輝氏の訃報を知り、やり場のない脱力感を覚えた。個人的な知り合いでも、熱烈なファンでもないのに、しばらく呆然としてしまった。あれほどまでに見る者を魅了した選手がなぜ自殺するに至ったのか。憮然とした表情を浮かべ、悪びれた素振りを見せる…

2011年度ラクロス部夏合宿終了。

それにしてもまた更新が滞ってしまった。なかなか書けずにいる自分を歯がゆく感じてはいるが、こうした停滞時期もまた今のボクには必要なのだろう。そこは割り切って、書ける時に書いていくことにする。 昨日までラクロス部の合宿で岐阜県は飛騨流葉に。昨年…

「あっ、蹴る!」という予感。

本日4限目のラグビー実技をもって春学期すべての講義&実技を終えました。もちろん演習も。レポートを読んだりテストを採点したりという作業がまだ残ってはいるものの、とりあえず春学期は終わりました。毎年のことながら7月は高校訪問や水泳実習やオープ…

「スポーツは祭?」身体観測第124回目。

「スポーツとは何か?」。現役選手だった頃は考えもしなかったけれど、研究者となってからは一度たりとも頭から離れない問いである。一種の遊びには違いない。だが、体力向上や集団訓練のための機会でもあり、チームによれば軍国主義を想起させるような厳し…

日本代表には外国人選手がいる。

ワールドカップに向けての強化合宿のためイタリアに遠征するラグビー日本代表メンバーが発表された。このメンバーにはカタカナで表記される外国人選手が10人いる。そのうち帰化して日本国籍を取得しているのは5人。つまり外国籍で日本代表選手に選出されて…

「贈られ続けたパス」身体観測第123回目。

あれは神戸製鋼に入ってすぐのころだった。日本代表選手がひしめくバックス陣に囲まれて戸惑ってばかりいた。まるでスピード感が違うのだ。走り出しの5歩、一連のパス動作が速い。ボールから目を離せばあっという間に置き去りにされ、ボールを掴んでから放…

生産的な営みと7月。

それにしても時間はただただ過ぎ去ってゆく。結婚してこれまでの生活とは違うリズムで過ごすようになってから早3ヶ月が経ったのだから驚くのも無理はないだろう。車に乗り込んですぐに今から帰りますメールをするのもすっかり習慣になったし、今日の晩御飯…

「歓声の後押し」身体観測第122回目。

スポーツ指導は本当に難しい。マニュアル的な指導は空回りするし、選手時代の経験を無理強いすれば選手との間に溝ができる。おそらくはこのどちらにも偏ることのない指導が理想なのだろう。各スポーツで活躍されている指導者を参考にしつつ自らの経験を一つ…

教えることと学ぶこと。

実習校訪問でてんやわんやの1週間が終わろうとしている。なにぶん初めての経験だったものだから、その場その場でどう振る舞ってよいのかにいちいち意識がからんできて、大変だった。学校によっては「平尾先生ってラグビーされてたんですよね?」と切り込ま…

「ケガから始まる」身体観測第121回目。

ケガをしたことがきっかけで僕は現役を引退した。ある日の練習で軽く相手とぶつかった直後、ふと顔を上げると右斜め前方に立っている選手が二人に見える。心なしか視界がぼやけていてふらつく感じもする。たとえるなら水族館で分厚いガラス越しに魚を見たと…

ブログとツイッターの違い。

それにしても本当に書けなくなった。いや、書かなくなったというべきか。ブログの更新が滞っている理由の一つにツイッターがあるのは間違いない。140字以内という制限はあるものの、連続してつぶやけばそれなりの内容を書き綴ることができるわけで、ブロ…

「矛盾を抱えるラグビー」身体観測第120回目。

現役を退いてからというもの選手への名残惜しさを抱えながらラグビーについて考え続けているのだが、考えれば考えるほどに不思議なスポーツだなと思う。押しつけがましいかもしれないが、ラグビーに育てられた身としてはラグビーの魅力をたくさんの人に伝え…