平尾剛のCANVAS DIALY

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2011年度女子ラクロス関西リーグ開幕。

2011年度女子ラクロス関西リーグが開幕した。我が神戸親和女子大学は、昨年度は1部リーグで戦いながらも成績が振るわず2部リーグ降格の憂き目にあったので、今年度の目標はもちろん再昇格。実力的にも各大学がひしめき合っている現状において一筋縄ではいかないことは百も承知しているが、是が非でも1部に上がりたいという学生たちの思いが成就するように何とかお手伝いしたいと思っている。

その初戦は大阪大学との試合。ラクロス部の顧問になって4シーズン目を迎えるが、毎年のように開幕戦はガチガチに緊張する。今年も昨年と同様に、まるでロボットのようなぎこちなさでボールを追いかける様を見て「さてどうして解してやろう」とあれこれと考えていた。試合が始まる前の練習時である。

まあボク自身も緊張していなかったとは口が裂けても言えず、昂る気持ちを抑えよう抑えようと努めていた。顧問であるボクが緊張すればすぐにそれが学生たちに伝わってしまう。それだけは避けようと、学生たちが走り回る様子を眺めたり、対戦相手の様子を窺ったりしていたのであった。

開始直後からしばらくは相手のペースで試合が進む。浮足立つ親和の学生たちの合間を縫って、相手チームの選手が次々にゴールを決める。イメージ通りに身体が動かない苛立ちから不安と焦りが生まれ、それがファールを多発させてますます試合の流れは相手に傾いてしまう。前半残り7分くらいまで(ラクロスは25分ハーフである)、みんなの動きはまるで借りてきた猫のようにおとなしいのであった。

ただ、冷静に試合内容を観察してみるとどうしたって負ける相手ではない。冷静にさえなれれば逆転できるのは目に見えている。だがこの「冷静にさえなれれば」というのがそう簡単にはゆかない。「冷静になれ!」と言葉がけをすればそれが為されるのであれば指揮官などいらない。というわけで一言二言のアドバイスをする。

どうやらそれで幾分かは落ち着いたらしく、後半に入ってからは自分たちのリズムでパスを回し始めた。後半開始間もなく雨足が強くなってきたこともあり、ぬかるみに足を取られたり、パスがうまく繋がらないシーンもところどころは見受けられたけれど、終わってみればシャットアウト(後半失点ゼロ)。もたもたしながらもなんとか初戦を10-4で勝利したのであった。

まだまだリーグは始まったばかりで、この勝利に浮かれていられないことは十分に理解しているつもりだが、目に見えて学生たちの成長がわかるので楽しいことこの上ない。細かなニュアンスまで理解したとは言えないまでも、ようやくラクロスという競技の本質的な部分が分かってきたような気がしている今、アドバイスにも思わず力が入る。競技力が上がったからといってすぐに試合に勝てるほど勝負というのは甘くない。試合には相手がいる。こちらが上達し、試合当日のコンディションがよかったとしても、それを相手が上回れば勝負には負ける。だから、こればかりはやってみるまではわからない。だが、「結果がどう転ぶかわからない」という不確実性を踏まえた上でも、これからのリーグ戦がとても楽しみなのである。学生たちが自分たちに秘められた能力に気付いてそれを存分に発揮してくれるだろうという期待が、とても大きい。

次の試合は27日。相手は神戸学院大学。さあどうなることやら。
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ちなみに今年の1部リーグは初戦から波乱の連続で、武庫川女子大学近畿大学に、大阪国際大学神戸女学院大学にそれぞれ敗北を喫している。今シーズンから1部リーグに上がった2チームが1部リーグ常連の強豪大学を下す展開に、いささか不穏なムードが漂う。前年とは違った独特の雰囲気にうまく乗じることができるかどうかも、勝敗の行方を左右するだろう。がんばらなければ。皆様ぜひ応援してください。