平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

からだにまつわること

体感気温が呼び覚ます記憶。

またもや寒さがぶり返してきた、ここ神戸市北区。耳の先が痛くなるほどに空気が冷たい。冬が来れば寒くなるのは当たり前で、毎年、経験しているはずなのに一向に慣れない。夏が来れば暑くなるし、冬が来れば寒くなる。春はその陽気で心まであたたくなるし、…

「マネジメント」という語感は好かん。

このままさらりと去っていくであろう3月。秋学期が終わり、待ちに待った春休みに突入してよろこんだのも束の間、もう4月は目の前である。毎年同じように感じるのなら年を経るごとに計画的に過ごせるようにはならないものか。と、毎年、考えているが一向に…

『対話のある家』(@SUMUFUMULAB)体験記その3。

そうこうしているうちに「家」に辿り着いた。玄関で靴を脱ぎ、皆でぞろぞろと家の中に入る。フローリングの部屋(たぶん)から畳の部屋へと入り、そのまま庭に出た。そこで「人間知恵の輪」をして遊んだあと、畳の部屋でちゃぶ台を囲んでしばしの談笑。その…

『対話のある家』(@SUMUFUMULAB)体験記その2。

視覚障害者のタエさんにアテンドされて、いよいよ暗闇へと足を踏み入れる。ドアを一枚隔てたそこにはこれまでに経験したことのない漆黒の闇が広がっていた。多少の暗闇なら目が慣れてくるとうっすら人影が見えたりするものだが、そこではまったく見えない。…

『対話のある家』(@SUMUFUMULAB)体験記その1。

過日に積水ハウスとダイアログ・イン・ザ・ダークの共創プログラムである「対話のある家」を体験した。そのときに感じたことや思ったこと、のちにそれをもとに考えたことを、数回に分けて書いていこうと思う。 というわけで今日は第1回目。まずはこのプログ…

アタマとカラダ、哲学と反哲学。

あの大きな台風が過ぎ去ってからというもの、季節はすっかり秋になった。頬を撫でる風や西日のかたむき具合、それから思わず見とれてしまう夕焼けも、すべてが秋めいた。ここからここまでが夏でこの先が秋、という境界線などあるはずもないのに、僕たちは秋…

春先のふやけた身体に喝。

おっとまたもや軒先にどどんと広告が出てやがる。それだけホッタラカシにしてたってことだから自分のせいだけれど、それでもやっぱりムッとするのはわがままな性格ゆえか。それにしても時間が経つのが早くてもう3月。そりゃソネットさんもしびれ切らせるっ…

深層筋と表層筋の関係。

木曜日は神戸女学院で非常勤の日。電車に乗って、岡田山の坂を上って、緑とヴォーリズ建築の校舎に囲まれた場所で授業をするのはとても心地がよい。最寄り駅の門戸厄神から坂を上っていくと、だんだん時間の流れ方がゆっくりになる。それがまたたまらなく気…

「あたまに追いつかれないように」。

ここんところずっと頭にこびりついて離れないのは「あたまに追いつかれないように」という感覚である。ほぼ日手帳の端っこで見つけたこの言葉によっていろんなことが腑に落ちたような気がしている。たとえばゴルフだったり、「書く」ってことだったり、それ…

「話す」への向き合い方。

目まぐるしい日々を過ごしているうちに2月も終わろうとしている。1月は入試と試験、さらには2月の第2週に予定されているスキー実習の準備で忙殺されるのは毎年のこと。「採点の祭典」を乗り越え、スキー実習も大きなケガ人が出ることもなく無事に終えるこ…

嫉妬されるのはモテてるってことで。

______身体への意識は、ひとたび不調になった途端に急激に高まる。筋肉痛とか発熱による節々のぎこちなさとか頭痛とかが襲っているときは、いやが上にも身体に縛り付けられる。これはもしかすると、あまりに放置されたが故の、身体からの嫉妬なのかも…

磨き上げる、研ぎすます。

こんなことも知らずによくも今まで“のほほん”と過ごしてこられたな、と思うことがたまにある。真実なることを知ってしまったが故に、これまでの自分が恥ずかしく感じられる。あのときはよくも偉そうに断定できたものだなと、全身からいやーな汗が出てきてが…

身体をモニターするってこと。

一通り成績をつけ終えてホッと一息ついています。今期からWEB上で成績を提出することになったので、出席と点数をせっせとパソコンに打ち込んでいたのでした。出席率とか一目でわかるし確かに便利になったはずなんだけれど、どこか味気ない感じがついて回…

バッティングセンターとムズムズ感。

2010年度秋学期の講義が終わって昼ご飯を食べたらやや脱力気味になったので、「これはいけない、頭よりもとにかく身体を動かそう」と思い立ち、デスク周辺の整理整頓に着手した。切り抜きっぱなしだった新聞のスクラップをファイリングし、積み上がった…

「なにか」に触れる、乱読と通読。

乱読や通読というのは自分の中にある無意識に働きかけるという意味ではとても大切なのではないか。と、曇りがちな休日の朝にふと思いついた。書かれてある内容を正確に記憶する。たとえば固有名詞や数字を忘れないように気をつけながら読み進めるのは、なに…

じわじわ染み入るあの感覚。

昨夜はがっつりとお酒を飲んだから二日酔いが心配されたものの、意外にもスッキリ元気な状態で、今まで研究室で仕事をしていた。西田幾多郎の「純粋経験」という概念を理解するためにせっせと読み、心に響いた箇所を抜き書きする。ストンと腑に落ちるという…

「違和感」を信じてみようと思ったとき、身体を動かしたくなった。

長らくのお盆休みを終えて今日は大学の研究室に来ている。大学としては夏季休暇中だから、学内には通信教育部のスクーリング生と講師の先生方がわずかにおられるだけで、辺りはひっそりとしている。あ、体育館で耐震工事をしているので多少の物音はするけれ…

体重が減っているのですけど、なにか。

今日も暑い。モーニングをとろうと歩いて5分の喫茶店【キューピッド】まで行くだけで汗が滴り落ちてくる。三連休の水泳実習でたっぷり焼け焦げた顔と腕が、一昨日の北区ラグビーフェスティバルで炎天下にさらされたことでさらに上書きされ、しかも首筋あた…

「ちょっとだけ」を追いかけて。

久しぶりにこのブログのアクセス数を確認してみたところ、ここ数日の間にたくさんの方が訪れてくれていることがわかった。なんでやろかと考えてみれば思い当たる節があって、そういえばツイッターと連携させたことを思い出した。ブログの更新が自動的にツイ…

『考える人』に登場してます。

気がつけば2010年も半分が過ぎ去り7月に突入した。毎年この時期になると「1年の半分が過ぎた」ことを実感して時の流れの速さを痛感するのだが、また今年も同じように感じてこのフレーズを使っている。こうした繰り返しはなんだか心地よくて、また今年…

「こびとさん」を大切にする宣言。

パソコンのデスクトップに張り付けてあった「こびとさんを大切に(09/10/03)」(@内田樹の研究室)がふと目にとまったので、おもむろに読み返してみた。そこにあった一文にドキンとした。 __________スランプというのは「自分にできることができ…

「栄養学」と「食べるということ」。

土砂崩れで神戸電鉄が不通になるほど激しく降り続いているここ北区は鈴蘭台。雨が激しく窓を叩きつける中をせっせと研究業務に勤しんでいる。先ほどツイッターで知った「宮崎県で起こったこと」を読み、激しく心がかき乱されている。口蹄疫による殺処分で1…

無意識に沈み込んでいた記憶に言葉が宛がわれる経験。

目覚めると気持ちのよい天気に気持ちが清々しくなる。夜には雨が降り出すらしいのでバタバタと布団を干して洗濯物を干す。それから新聞に目を通してパソコンを立ち上げる。今週は、いつもの1週間よりも少しだけ気を張っていたなあと思う。休日の朝独特のやわ…

あれもこれもすることの効用。

もしかして人間というものはいろんなことを同時並行に行っているときの方が作業能率は上がるのではないかと思う。研究会での発表内容を抄録にまとめることと、講義の準備と、もろもろの事務的な仕事と、『1Q84』の耽読と、愉快な仲間たちとの食事と、部…

無意識の中でのせめぎ合い。

ほんまにエエ天気続きだったゴールデンウィークが終わろうとしている。4月の終わりあたりに少し煮詰まっていた感じがあったのでこの休みはとことん緩めてやろうと、昔からの友人と会って酒を飲む機会をつくり、読む本もできる限り研究や講義とは関係のない…

背中と腰の境目をめぐりながら痛みの効用を考える。

新年度が始まって2週目も半ばを終えた。今週は金曜日にひとコマだけだ。先ほど終えた授業は「ラグビー」。ほとんど未経験な学生たちを前にラグビーを教えるのはとても骨が折れる。専門用語をつい口走りそうになるのでそれを抑制するのに気を使うわけである…

身体に染み付く固定観念がまたひとつ落ちる。

眠らなきゃいけない。きちんと睡眠をとらなければならないと思い始めたのはいつの頃からだろう。たぶんあの頃だろうな、という見当はついている。22時から2時まではたくさんの成長ホルモンが分泌されるから、カラダを大きくしたければこの時間は眠りなさいと…

「この日の学校 in Osaka」に行く。

今、ボクの心の中はただならぬ混沌のうちにある。いてもたってもいられないという気持ちと、ただ立ちつくすしかないだろうという気持ちがごちゃ混ぜになっている。あまりに圧倒的な知性に出会って心底から尊敬の念が湧き起こるのと同時に、今の自分の体たら…

『井上雄彦 最後のマンガ展 大阪版』に行く。

先日『井上雄彦 最後のマンガ展 大阪版』に行ってきた。上野美術館で催されたときには足を運べそうにないことを薄々感じながら「行きたい」と思い、続く熊本のときはほとんどその気になりながら「行こうかな」と悩んで、結局どちらにも足を運ばなかった。井…

元町あたりに出没します。

告知をひとつ。来週23日の水曜日にてつがくカフェ「おとなの寺子屋」にて話をさせていただきます。テーマは「近代スポーツとせめぎ合う日本人の身体感覚」。何だか大げさに過ぎるテーマに今からどないな話をしたらええのやろかとあたふたしております。ラグ…