平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

2011-01-01から1年間の記事一覧

集中力と持続力。

専門演習でのディスカッションテーマを見つけようと本棚を見渡しているときにふと目に留まった『走ることについて語るときに僕の語ること』(村上春樹、文春文庫)を手にとる。もう幾度も読み返しているこの本をまたパラパラ開いてみたら、やっぱりみつけた…

「ハサミを使うこと」身体観測第119回目。

新聞記事を切り抜く際にはいつもカッターナイフを使うのだが、あるとき近くにハサミが置いてあったのでそれを使うことにした。いつもなら新聞紙を広げ、デスクを傷つけないように雑誌を敷くなどして四辺をなぞればそれで終わりだが、ハサミだとそうはいかな…

ここんところで読んだ本を挙げてみました。

ここんところあらゆる分野の文献を乱読しているのであるが、あまりに乱れ打ち過ぎたせいかなんだか混乱している。いったい自分は何を知りたくて、どういったテーマで論文を書こうと目論んでいたのか。そのイメージがどうにもこうにもかすんできたので、それ…

ラグビー同好会ができました。

「ラグビーの練習をしようと思うのですが」と先ほど学生数名が研究室に来る。今年度から発足したラグビー同好会の学生たちである。2016年のリオデジャネイロ五輪の正式種目に7人制ラグビーが採用されたことを受けて、兵庫県は女子ラグビーの普及・育成…

つい乗せられちまったかもな、まだ決まってないが。

連休明けの初日はどこかピリッとしなかったものの、それを吹っ切るべくやや背筋を伸ばして仕事のあれこれをひとつひとつ機械的に片付けていったら、予想以上に集中力が高まってあっという間にこんな時間。「とにかくやる」ってことがどれだけ大切なのかを、…

ほんまにまあええんか、な。

連休明けの今日は心もカラダもどこかピリッとしないままに一日を終えた。講義とゼミと会議があったのだけど、話をしたり聞いたりしていても身体のどこかにある風穴からシューシューと何かが漏れ出ているかのような感覚がある。下丹田に意識を集めてみてもど…

「身体で聴く」身体観測第118回目。

いい音で音楽を聴くことがとびきり好きな先輩がいる。ある時、厚かましくもその先輩の家に邪魔してボサノヴァを聴かせてもらった。耳の奥ではなく胸のあたりで音が鳴っているような奇妙な感覚が新鮮で、とても不思議だった。同じ曲でも音が違えばこれほどま…

ついこの前だったはずのあの頃と、今。

あっという間に4月も終わり。今週を乗り切ればGWに突入。時間が経つのは早いものである。という書き始めが常套化しつつあることは少し気にかけているが、たまにしか更新していないのだからこれが正直な気持ちで現実であるから致し方ない(ということにし…

スポーツデザインのご紹介。

先週末は行きつけの鮨屋【すし半】に始まり、SCIX時代の先輩方とのガハハな飲み会、それから全員が「せんせい」なる立場に立つ(もしくは立ったことのある)友人たちとほっぺが落ちまくりのフレンチ&ええ音にしびれまくりの会を経て、最後の日曜日は嫁の実…

「スポーツが果たす役割」身体観測第117回目。

東日本大震災から3週間が経過した。画面を通して伝えられる復興の様子に少しずつ心も落ち着いてくる。避難所で過ごす方々の笑顔を見た時はなおさらだ。そのたくましさに生きる勇気が湧く。安易に同情するわけにはいかないと身が引き締まる。 震災前にジャズ…

皆さまに報告があります。

すっかり放置しっぱなしで失礼いたしました。早く更新しないといけないと思いつつ、いつのまにやら新年度が始まってしまって、さすがにこのまま放っておくわけにはいかないなと思い立った次第です。書きたいことが山ほどあるのになかなか筆が進まなかったの…

「ここではないどこかへの想像力」身体観測第116回目。

東北・関東地方を襲った未曾有の大地震から2週間が経とうとしている。まるで映画のワンシーンかのような津波からは自然の恐ろしさを痛感し、福島第一原子力発電所で起きた事故からは原子力の危険性について今も考えさせられている。同じ日本列島にいる者とし…

「理想のリーダー像とは」身体観測第115回目。

スポーツ指導者の端くれとして今も頭を悩まし続けるのは、「理想のリーダー像とはいかなるものか」についてである。チームの結束を固めるためにはどうふるまえばよいのかを考える上で、理想のリーダー像を頭に描いておくことはとても大切である。世間一般に…

とにかく「楽しむ」こと~鈴木大地&池田久美子の言葉から。

そうか、「楽しい」という言葉を軽々しく使うことはよしとされていないのだな。現役を引退してからスポーツや体育の世界に身を置くようになって気がついたことである。「スポーツはまずは楽しむことが大切だ」という言葉遣いで話をしてもその本質がうまく伝…

言葉と感覚の関係性、A.カレリンの言葉。

なにか新しいことを始めたくなり、『「無意識」を象る言葉たち』というカテゴリーを作りました。なぜ『「無意識」を象る言葉たち』というカテゴリー名にしたのかというと、この前の朝カルでも話をしたのですが、あることにボクが気づいたからです。そのこと…

「楽しさを伝えること」身体観測第114回目。

菅平高原でのスキー実習を終えて帰ってきた。ラグビー選手にとっては馴染みが深く現役時代に幾度となく訪れたその場所でスキーを教えていると、なんだか不思議な気分になる。1500m走などの体力測定や、緊張感たっぷりで臨んだセレクションマッチがふと思い出…

「相撲は神事」身体観測第113回目。

大相撲の八百長問題が世間を騒がせている。携帯電話でのメールのやり取りから八百長が発覚し、事態を重くみた日本相撲協会は大阪での春場所を中止する決断を下した。さらには年内に予定されていた全巡業も取りやめ、本場所の無期限中止という前代未聞の事態…

スキー指導から学ぶ、またもや言葉と感覚のお話。

おっとびっくり2月はまだ2回目の更新である。先週いっぱいスキー実習で菅平に籠っていたとはいえ、あまりに放置し過ぎである。気持ちの上ではスキー実習をもって2010年度の終わりとしていたので、これからは気持ちを切り替えて書いていこうと思う。ひ…

身体をモニターするってこと。

一通り成績をつけ終えてホッと一息ついています。今期からWEB上で成績を提出することになったので、出席と点数をせっせとパソコンに打ち込んでいたのでした。出席率とか一目でわかるし確かに便利になったはずなんだけれど、どこか味気ない感じがついて回…

「準備運動って必要?」身体観測第112回目。

近所の公園は休日になるとたくさんの子どもたちが集まる。散歩の途中などに立ち止まって遊んでいる様子を眺めたりもするのだが、子どもたちはみな公園に着くや否やすぐに駆け出していく。たとえ冬の寒い日であってもストレッチなどをせずにいきなり跳んだり…

バッティングセンターとムズムズ感。

2010年度秋学期の講義が終わって昼ご飯を食べたらやや脱力気味になったので、「これはいけない、頭よりもとにかく身体を動かそう」と思い立ち、デスク周辺の整理整頓に着手した。切り抜きっぱなしだった新聞のスクラップをファイリングし、積み上がった…

「やる」か「やらんか」だけなんやろうなあ。

気がつけば1月も最終週を迎え、あと1週間で秋学期の講義が終わるわけです。早いなあ、ホントに。2月も逃げるでしょ、3月は去るんだったらあっという間に新学期ですね。というのはかなり早とちりですが、時間が経つのは本当に早いものです。さきほどまで…

「引き分けという結末」身体観測第111回目。

早いもので現役を退いてから4度目の正月を迎えた。正月の楽しみはラグビー観戦と決まっており、高校、大学、トップリーグと今年もたくさんの試合に心を踊らせた。大学選手権は帝京大学が尻上がりに調子を上げ、決勝で早稲田大学を破って2連覇を達成。対抗…

名言の独り歩き、「がんばり方の科学」第2回目。

明日は本学でセンター試験が行われる。天気予報によれば神戸は雪。ここ北区の鈴蘭台は確実に雪になりそうなので、道路の凍結を考慮し、車はやめて電車にしょうと決意を固めたところ。早起きしなくちゃいけないから今夜の久しぶりに会う友だちとの食事会は早…

「負けず嫌いな性格」身体観測第110回目。

今は「負けの美学」についてあれこれ考えている僕でも、その昔は大の負けず嫌いであった。小学生のころは、家事に勤しむ母に頼み込み1度限りの条件で許された将棋も負ければ泣きながら「もう1回」と駄々をこねる始末だったというし、親戚とのトランプでも…

引き分け、感動物語、使い捨て。

連休が明けて本格的に2011年が始まった。まだ身体がピリッとしないのは正月気分が抜けていないからかもしれないけれど、だとすればなんてボクは怠惰なのだろうとつくづくいやになる。年が明けてからもう10日が経過している。にもかかわらずあれこれに…

新年の挨拶と『チェーザレ』の感想。

みなさま、あけましておめでとうございます。食っちゃ飲んでダラダラ過ごしていたらあっという間に年が明けて、さらに食っちゃ飲んでしてたらあっという間に仕事が始まりました。今日は朝から研究室で明日からの講義の準備に勤しんでおりました。まだまだ正…