「祝!ラグビーW杯開催」身体観測第78回目。
2019年にラグビーW杯が日本で開催される運びとなった。開催国の意地を見せるための代表強化、試合会場の整備、開催国に義務づけられた国際ラグビーボード(IRB)への拠出金の確保など、大会運営に向けての課題は山積しているとのことだが、長らくラグビーに関わってきた者としては素直に喜ばしい。ラグビーを始めた頃から好きだったあのオールブラックスの試合を生で観戦できるのだから、喜ばずにはいられない。
それと同時に日本代表の活躍にも期待している。各国が極限までチームを研ぎ澄ませて臨むのがW杯である。その大舞台で、日本代表がそれなりの結果を残すには長期スパンでの強化が必要だろう。初の決勝トーナメント出場を目指し、今はまだ中学生や高校生の将来の代表選手には是非とも奮闘してもらいたい。
思い返せば今からちょうど10年前、ウェールズで行われた第4回W杯に参加した。試合結果はさておき、ホテルで食事を済ませた後に選手同士でパブに出かけたある日のこと。週末だったこともありたくさんの人で埋め尽くされた店内に足を踏み入れると、「お前らラグビー選手だろ」と現地の人たちがフレンドリーに話しかけてきた。次々と渡されるぬるめのビールを両手に抱え、片言の英語で話をするうちに、いつのまにか一つのテーブルを囲んで飲み交わしていた。その時の写真には赤ら顔の楽しそうな表情で写っている私がいる。
国の風土が違うとは言え、これと同じようなことが日本で起こらないとも限らない。各地のスポーツバーで各国の選手と共にお酒を飲むことができるかもしれないと思うと、ワクワクしてくる。
現実的な問題はともかく、こうして想像を巡らせてみると楽しみなことばかりが浮かんでくる。開催時に44歳になっている私はどのようにW杯を堪能しているのか。それも楽しみの一つである。
<09/08/11毎日新聞掲載分>