平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

お待たせしました。そろそろ出ます。

やれやれ、二ヶ月間もほったらかしにしていたのか。例年、この時期は教育実習校への挨拶、「営業活動」としての高校訪問、水泳実習など行事が目白押しで、てんやわんやな日々を過ごすのだけれど、今年はこれらに加えて各種委員会がいくつか増えたことと、単著を出版するにあたっての原稿があり、怒濤のような日々なのであった。もちろん「採点の祭典」もこれに含まれる。通信教育部のスクーリングも、だな。

しかし、ようやく抜けた。気持ちの上で少し楽になった。

来月ミシマ社から出版予定の本もようやく見通しがついてホッとしている。振り返れば三島さんから打診があって2年以上の月日が経ち、友だちや関係者の皆様には長らくお待たせすることになってしまいました。ホンマにすみません。僕の不徳の致すところであります。

この本は、みんなのミシマガジンでの連載『近くて遠いこの身体』がまとまったものなのだけれど、編集の手が加わるとこんなにもオモシロくなることを実感しとります。1年かけてテーマを決めずに書き溜めたテクストが、その内容ごとにまとめるとある物語が浮かび上がるんですね。可視化されたゲラを見て「そうか、僕はこう言うことを書きたかったんだ」と、自分の興味や関心に改めて気がつく。その大きな物語になぞらうようにゲラに手を入れていくと、自分が書いた文章なのにそうじゃないみたいに思えてくるんですよね、不思議と。で、つい読みふけってしまう。「こいつ、オモロいこと書いてるなあ」と、自分に向かって思う。あとは矢萩多聞さんのデザインを想像してニヤニヤしたりも。

てな具合に、奇特で変わり者な僕はこうして自画自賛を繰り返し、一冊の本ができるまでのプロセスを存分に楽しんでいるところです。

発売予定は9月末。みなさま、ぜひ楽しみにしておいて下さいね。