平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

W杯決勝、宮田送別、『悪果』読了。

更新停滞警報が心に響き渡っていながらすっかりと放置していたここんところ。
気が付けばいろいろなことが交錯しながら時間が流れていたように思う。

ラグビーワールドカップはいよいよ今週末に決勝戦を迎える。
贔屓にしていたオールブラックスはフランスにあっさりと敗退し、SOエルナンデスが華麗なプレーで魅了するアルゼンチンは昨夜、南アフリカに完敗。
その南アとイングランドが決勝で顔を合わせることになった。
予選プールで同じ組だった両者は既に対戦を済ませており、その時は36-0で南アが完膚なきまでに叩きのめしている。
ただし、ひとつだけ留意しなければならないのは、予選のこの試合にはイングランドの得点源であるウィルキンソンが出場していなかったこと。
ロースコアの試合に持ち込めばウィルコを擁するイングランドに勝機が生まれるだろうが、これまでの試合振りからすれば南ア有利の予想は動かない。
南アの優勝は、NZ、AUSが敗退した今となっては「鬼の居ぬ間に洗濯」的にはなるけれども、WTBハバナが走り回る展開は見ていて興奮するし、僕は南アを応援しようと思っている。

ちなみに、これほどまで真剣に、そして楽しくラグビー観戦したのはおそらく高校生以来である。特に神戸製鋼に入ってからは他のチームの試合を楽しんで見ることができなかった。おこがましくも自分と比較していたからなのかもしれないが、なぜなのかはあまりよくわかっていない。

まあ、いいか。今は楽しく見れているのだから。

僕が今年SCIXに入ってからというもの、いろいろな事を教えていただいたSCIX社会人プレーヤー兼渉外担当の宮田さんが神奈川・厚木に転勤となった。
幾度となく催された送別会にはできる限り足を運んであーだこーだとくっちゃべり、これまでのSCIXのことやこれからのこと、そしてSCIXという枠を越えてどんどん枝葉を広げる話の内容からは、たくさんのことを学ばせていただいたように感じている。
住んでる場所が近かったために、約束せずとも青木界隈でGMと共にメシ食って飲んだのがとても楽しかったなあ。

おかげですっかり青木に馴染んでしまいました。
次回はいつになるかわからないけれどホワイト餃子を囲みながら飲みましょう。
短い間でしたがありがとうございました。どうぞこれからもよろしくです。

それから何があったっけ・・・と思い返せば、『悪果』を読了したことがふっと浮かんできた。これ、めちゃくちゃオモロかったのだ。

昼間から夜にかけて修士論文をがりがりと書き上げていき、お風呂に入ってさあ寝よかといつもより早めに布団に入ったあの日。
先日の東京の行き返りでかなりハマッっていたこともあり、続きを読もうと「ちょっとだけ」のつもりで『悪果』を手にとった。
話はちょうど中盤を越えた辺り。
堀内のシノギである坂辺が死んでごちゃごちゃし出すところで、「ちょっとだけ」で本を置くことなどできはしなかった。
堀内に尾行がついた辺りから最後まで一気読み。気が付けば深夜2時を回っていた。そして、読み終えてしばらくはなかなか寝付けなかったことも付け加えておく。

ぶっちゃけてしまえばやくざも警察も一緒だ。
そう感じざるを得ないほどに登場してくる人物は悪い奴らばっかりであった。

しかしである。

昔に原田宏二著『警察内部告発者』を読んでいたことで、現場捜査官が複数の三文判を作らされて架空の領収書に押印させられる描写がリアルな現実として心に突き刺さり、そうした現実に嫌気が差してシノギながら飲み歩く堀内に、どことなく共感する自分自身を止めようも無かった。
悪い奴らへの共感を通じて、自らの内奥に潜む「悪」が顔を覗かせたというか何と言うか。読み進めるうちに自分も悪な人間であるということを、無意識の中に突きつけられたような気がする。

ナニワノワールな作家(@青山ゆみこ)である黒川博行の世界にすっかりと引き込まれた僕は、早速アマゾンで『暗礁』(幻冬舎)の上下を注文。もれなく青山さんの解説がついてくることもあって迷わず「ショッピングカートに入れる」をクリック。
この『暗礁』は黒川博行の疫病神シリーズ第三弾らしく、いきなり第三弾から読むよりも遡って時系列に読んだ方がいいのかどうか、ちょいと迷い中。
青山さん、どうぞご指南ください。

っと、それよりも修士論文をせねば。
わかっております、あくまでも息抜きとして読みますので・・・。

と言いつつ、『暗礁』の到着をとてもとても楽しみにしているのであった。