平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

内田樹先生を囲む会〜小林秀雄賞受賞祝。

風邪を引いた。
少し熱っぽくてカラダの節々が痛む程度なので、風邪と呼ぶのは時期尚早かもしれないが、とにかくグッタリと疲れている。
なので今日はお休みを頂いて、一日じゅうゴロゴロと布団の中を這いずり回っていた。そうしたダラダラと過ごして夜を迎えると少し元気になったので、すっかりWeeklyになりつつあるこのブログにでも書いてみようという気になったのであった。

風邪を引いてみて気付いたのは、ここんところは本人が感じていたよりも忙しい日々を過ごしていたのだなあということであった。
だからどうだというわけでもないのだが、とにかく気が付いた。
秋晴れの最中に部屋でごろつくことの心地よさがそう思わせたのだろう、きっと。

考えるヒマもないくらいにめまぐるしい日々を過ごすこと。
それこそ生きる実感を感じることができて、それはそれで楽しいけれど、
目に見えて生産的な活動をしなくてもよく、短期的に結果を生みだす必要もない一日はこの上なく瑞々しい。
だらけながらに過ごす時間はホントにいい。

とか言いつつもそんな時間を確保することはなかなかできないのであるから、風邪を引いて得した気分になれるのは、だらけられることに尽きる。
残念なことに風邪は快方に向かっている。もちろん喜ばしいことなのであるが。

いきなり話は変わるが、先週は甲南麻雀連盟および甲南合気会のメンバーによる内田樹先生の小林秀雄賞受賞パーティーが【神仙閣】にて行われた。
総勢約60名が集結したパーティーは、発起人の方々による仕切りでとてもとてもにこやかなものであった。

ドクター佐藤の絶妙な司会っぷりに始まり、江さんの街的な話で口火を切り、釈先生のやっぱりありがたいお話で乾杯してからというもの会場には常に笑いが充満していた。
かんちきくんが提案した『私家版・ユダヤ文化論』への寄せ書きはグッドアイデアだなあと一人感心しながらに、僕は、食事に箸を伸ばすのも忘れるほどに出し物やお喋りに興じて楽しんだ。
とは言うものの、青山さんを通じて堀埜さんから、かつての主将であり監督でもある増保先輩との「だんじりで言うたら〜」ならぬ「ラグビーで言うたら〜」的なトークショーを依頼されていたから、緊張した面持ちで出番を待っていたことは否めないけれど。
(ビールを流し込んで勢いを付けて話したら、何とか笑いもとれた感じでホッと胸を撫で下ろしたのであった。笑いがとれてホッとするのは関西人の証拠である)

浜松スーさん軍団の“教養的な”マイムマイム、甲南合気会による“微笑ましい”替え歌合唱、歌う牧師こと川上先生の“笑いながら泣けてくる”替え歌『僕の先生』、最後は甲南麻雀連盟からの“ひたすら賑やかな”『バーバラアン』。
今思い出すだけでも口元が緩んでくる。

あれほど楽しいパーティーは、僕は生まれてこの方経験したことがない。
あのパーティをどのように表現すればいいのかはとても難しいけれど、漂う雰囲気に杓子定規なところがなくて、内田先生を心から祝おうというみんなの気持ちが溢れかえっていたとでも言おうか。

著名人や有名人が集うパーティともなれば、ちょっとやそっとは策略的な魂胆を秘める人が参加していてもおかしくはなく、そういった人たちばかりになると、それぞれの心に潜む本心とは大きくかけ離れた営業的で予定調和的な念というか想いがパーティー全体を覆ってしまって、形式的でよそよそしいものになってしまう。
たとえば著書を羅列するしかできないような挨拶をする人が幅を利かせたり、余興を吉本の芸人がしたりするといった感じで、よそよそしく白々しいものになる。
それはそれで一種の興行になってしまい、またパーティーの趣旨はそっちのけで個々人の営業の場と化してしまい、なにがなんだか分からずに肩が凝る。

あの日のパーティはそんな雰囲気などどこ吹く風。当たり前だけれど。
食って飲んでしゃべるだけで楽しいのに、出席者が喜びに湧く姿が目に飛び込んでさらに楽しくなる。
何より、内田先生のうれしそうな顔を見てると、じわじわと腹の底からうれしくなってくるのである。

パーティーについては青山さんもブログに書かれているので、是非読んで見て下さいませ。川上牧師が作詞をした歌詞も書かれているので、是非に。
(あの歌詞を読めば、たとえ内田先生を知らない人でも先生の人柄が伝わると思うんだけどなあ。牧師、サイコーです!)
http://yummyao.at.webry.info/200710/article_17.html

最後になりましたが、あのような場に身を置かせていただき、余興までさせていただいたことに心から感謝いたします。
祝わせていただいて本当にありがとうございました。
またの機会を楽しみにしていまーす。