平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

スポーツアラカルト。

あれだけ毛嫌いしていた亀田一家の面々に同情してしまうほど、TBSの態度には辟易としている。かと思えば、テレ朝が浅田真央を報道する仕方もまた亀田と同じような印象を受ける。人間くささが人工的に削り取られたコンパクトな物語にはもうお腹が一杯である。

日本シリーズでは中日が53年振りの優勝を果たしたが、8回まで文字通りのパーフェクトピッチングをしていた山井の交代劇が話題を呼び、翌日のテレビや新聞は落合監督の采配をしきりに値踏みしていた。スポーツジャーナリストの玉木正之はスポーツの面白さを殺す采配であるとコメントしているが、勝利を第一に考えた合理的な采配だったと賞賛する声も少なくなく、意見が二つに割れていると言える。っと、もう既に過去の話題として風化しつつあるとも言えるだろうけれど。

そして今はテレビを付ければ、若手ジャニーズが応援する中で女子バレーW杯が開催されており、まさにスポーツ花盛りである。ラグビーも、W杯が終わって国内リーグのトップリーグが開催されているにもかかわらず、世間の耳目を集めないのはJ-Sportsで放映されているからである。日本ラグビー協会が重い腰を上げるのはいつの日になるのであろうか、と遠い目で現状を憂うのであった。

誠に個人的な試合結果報告になるが、前回のブログで告知していたわがSCIXラグビークラブと福岡ユースクラブとの試合は、58-7(前半39-7・後半19-0)で勝利を収めることができた。この試合を含めて過去3回行った試合すべてに勝利していることからも、今のところ競技レベルとしてはSCIXが上回っている。けれど、福岡ユースクラブの個々のスキルはレベルが高く、特には倒れているプレイヤーに素早く覆い被さってボールを奪い取るジャッカルという技術は素晴らしく、かなりのポテンシャルを秘めるだけに今後の試合がとても楽しみである。

ちなみに、ついこのあいだ入部したばかりの野球経験者でラグビー初心者のTくんは、この試合が2試合目。しかも、1試合目は途中出場の15分だけだからほとんどラグビーを知らない。それでも、回りのプレイヤーに試合中のポジションなどを教えてもらいながらも、積極果敢にボールをもらいにいく姿勢は目を見張るものがあり、何とこの試合でトライをしたのである。このトライにはチームのみんなが喜んだ。その様子を眺めながら僕までもが嬉しくなって、ニヤニヤとした笑顔を浮かべていた(と思う、たぶん)。

スポーツにはいろいろな楽しみ方がある。あって然りだし、ある方がいい。
それでも本質的には「身体」に根ざしたものであって欲しいし、あまりに経済的で商業主義そのままの扱われ方は、かつてのスポーツマンとしては当然、好ましくはない。と言ったって、そうは考えない人たちもいるわけだから、少なくともSCIXでは勝利至上や勝敗強弱を論じずにやっていきたいなあと思う。

勝負にこだわらなくともメキメキと上達する。チームのみんなが総体的にググッと伸びる環境を創っていきたいなあと、大学時代に駆け回った西京極のグラウンドの傍らで空を見上げながらに思うのであった。