平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

目まぐるしい日々こそのシアワセ。

気がつくと週が明けている。
ここんところはこんな風にして足早に時間は過ぎ去っていくなあと感じていた理由が、今になってようやくわかった。
何てことはない、週末に予定が重なっているからである。
土曜日はSCIXの練習があるし、日曜日もラグビー観戦やSCIXの試合やなんやが入ってくるから、あっという間に月曜日になる気がするのだ。
今頃になって気付いても遅い。というか気付いたところで何も変わらないのだけれど。

こんな風にしてただでさえ週末はバタバタしているのに、特に先週末はホントに忙しかった。
部屋にいることがほとんどなかったので、今一番やらなければならない修士論文が全くの手付かず。大丈夫かあ。卒業できるのかあ。
できなければ皆の笑い者になってしまうので、今日からまた気を引き締める次第である。

と言いつつも、今日はクリーニング屋さんにシャツを持っていったり、電気屋さんにオーブントースターを買いに行ったり、洗濯、掃除、整理整頓など家事に時間がとられて、パソコンの前に座ったのは夕方の4時であったが。
アマゾンで注文しておいた「オールブラックススペシャルBOX」が昼過ぎに届いたので、危うくすべてを見てしまいそうになっての4時である。危ない危ない。
それにしてもクリスチャン・カレンの走りは美しかった。

さてさて、それでは先週末のイベントを僕自身の備忘録という意味でさらりと書いておくことにしよう。

いつもお世話になりっぱなしの王さん宅に、アオヤマさん、マダム、ハシヤ氏といういつものメンバーで15時からお邪魔する。
窓から差し込む太陽の光を感じながらシャンパンやビールをぐびぐびと飲み、テーブルに所狭しと並べられた王シェフのお料理に舌鼓を打つ。
王さん宅にお呼ばれしたのは今回で2回目。
前回も今回も、お家を訪ねる前は恐縮しまくりの構えなのが、誠に美味な食事を口にしながらほろ酔いになってきて、ことばにことばを重ねていくうちにいつのまにかリラックスしているのが不思議である。
ハシヤ氏が「無条件に満たされる感じ」と言うところの雰囲気が漂っていて、何ともニンマリである。

今回は愛娘のマキちゃんが同席し、彼女は父上の威厳と母上の包容感に負けず劣らずの存在感を存分に発揮して、王さん宅を後にした一同は「オモロ過ぎる」と口を揃えていた。
「北新地でもドラフト1位」(@アオヤマさん」)のマキちゃんは間違いなくこの日の主役でありMVPであった。

翌日は関西学院にて講義を行う。
講義名は「トップアスリート指導論」。
ヴィッセル神戸オリックス神戸製鋼から講師を招いての講義である。
GM兼総監督の平尾さんから「やってみるかー」と声を掛けられたときは、これはオモシロそうだなあとすぐに「やります」と返事をしたものの、いざ講義の1週間前になってみたら緊張に次ぐ緊張であった。
ふと気がつけば頭の中で当日のシミュレーションを行っているという、心ここにあらずな1週間を過ごしていたのである。
その中で気付いたのは「ああ、これは試合に臨むときの心持ちと同じだなあ」ということで、ならば準備のし過ぎはよくないぞと、いい感じに開き直ることができたのはホントにラッキーだった。
まあ、出だしの方は自分が何を言っているのかわからない状態が少し続いたけれど、途中からは楽しくお話をすることができるようになって、用意していたものから逸脱したり言い忘れたりしながら結局のところ時間が足りなくなるくらいに楽しめたのであった。
学生が400人もいればまあビビルというものであるが、一度経験してしまえば何てことはないのだなと、これもまたラグビーの試合と同じような心境であることに気付いて、僕はやっぱりラグビー体質なようである。

金曜日と土曜日は自らを落ち着かせるべく自然の中に身を置きながらリフレッシュをはかる。
あまり人がいない山奥にいくとすべての音が消え去る。
街の中では何かしらの音が耳に飛び込んでくるが、そうした雑音が瞬間的に消え去るととても不思議な感じがする。
風が木々を撫でたりもするし、小鳥のさえずりも耳に入ってくるけれど、目を閉じてしばらくじっとしているとそういった音すらもなくなって、無音状態になるのである。その瞬間はとにかく気持ちがスッとする。
身体の内奥に潜む何かが「抜ける」というか何というか。

これ以外にも書くべきことや書きたいことはあるけれど、今日のところはこの辺で筆を置くことにする。論文の続きを書かねばならないのである。
詰め込み式で書いたところで僕自身がオモロくないし、時が流れてここ数日のあいだに経験したことが過去になればなるほどに話が広がっていくだろうから、広がった過去を編むという楽しみに心躍らせながら今日のところは終わるのであった。