平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

言い訳には裏がある。

目まぐるしい毎日に右往左往している。
時間的に忙しいというわけではない。
昼寝ができる日もあるくらいだから時間的にはゆったりしていると思うのだが、頭の中は常にぐるぐると対流している感じなのである。
その大半が修士論文の内容であることは、このブログに顔を出してくれている方々にとっては既に周知の事実としてあるのかもしれないが、それでも敢えて何度も書いてしまいたくなるのは、それ以外に「書くネタがない」ということでもある。

この「書くネタがない」ということを掘り下げていくのはオモシロい。
本当に「書くネタがない」のかというとそんなことはないからである。

土曜日は中学の頃からのラグビー仲間である平井の結婚式に出席するために東京入り。披露宴後は最終新幹線までのわずかな時間でトリイブチョーと焼き鳥屋で久しぶりの話に花を咲かせる。新幹線の中は爆睡。おかげで帰っても寝付けずに往生する。
昨日は神戸親和女子大学ジュニアスポーツ教育学科新設記念フォーラムが大阪毎日新聞オーバルホールにて開催。来年から神戸親和女子大学にお世話になることが決まっているので朝から足を運んでウロチョロしていた。
お陰様で盛況に終わり、帰りは三ノ宮で打ち上げ。
そうそう、今週の木曜日は関西学院大学で講義をすることになっているがために、日々を生活している中でふと気がつけば話の入りや展開を頭の中でシミュレーションしてたりする。頭の中でリハーサルしている話に自分自身がオモシロがってしまって、内容を精査するよりも自らの興味に従って話が広がっていってしまうのが玉に瑕なのだが。

とまあネタは尽きない。
こうして列挙していけばいくほどネタは連なっていくだろう。
にもかかわらず「ネタがない」と感じるのは、「ネタがない」という感じがこの自分の意識以外の何ものでもないからである。
これだけ豊富なネタを意識的に見落としているのである。

書くことには「想像」がついて回る。「回顧」もついてくる。
常日頃から僕が書こうとしているのは「当然のように当たり前のこと」で、「誰もが一度は目に触れているにもかかわらずそれほど深くは考えてこなかったこと」を一人せっせと考えて言葉にしようとしている。
厳密に言えばおそらく一人ではないのだろうが、こんなことを考えるのはもしかして僕だけかもしれないというドキドキ感が、野放しにされた事象を考える楽しみとしてある。

せやけどもこの楽しみは時に孤独感をも生むんだな。

「当然のように当たり前のこと」を考え続けてとりあえずの納得を得たとしても、そんな話は僕以外に興味を抱く人などいなくて共感は得られへんのとちゃうかという不安が、どこからともなく襲ってくる。
その他大勢の共感が最優先ではなく、どちらかといえば「その他大勢」ではなく「ほんのわずかな人たち」との共感を望んでいたりするのだが、だれにも共感してもらえないのはやはりちょっとキツイ。
共感はあくまでも結果だと知っていてもそれでもキツイ。

誰もが振り向きもしない事象を考えようと努めておいて、
その過程で「これに目を付けたのはオレだけちゃうん!」と興奮しといて、
実際に考え尽くした後ではわずかでもいいから誰かにわかって欲しいだなんて、
ホントにわがままやなあと思うが、まあこれが人間のふるまいとしてはあまり的を外していないのではないかと思っている。

自分の考えを世に問うと言えば格好エエが、これはまた怖いことでもある。
あちら立てればこちらが立たず、ということの可能性を最大限にまで考慮する必要があるのは言わずもがなで、書き手の想定外に放り込まれたネットの住人は容赦なく牙をむく。
数々のブログがあちらこちらで炎上しているのをみれば頷けるであろう。

ここで最初に戻って「書くネタがない」である。
つまり僕は、今考えているあらゆることが世間に受け入れられないんじゃないかとビビっていて、そんな自信が揺らいでいる状態で思いの丈を綴ってしまうとネットの大海で溺れてしまうだろう、ついでに僕という人格のところどころが欠けていくことになるだろう、という悲観的な考えが無意識の中でフル稼働していたために、ブログで書くことに躊躇してしまっていた。
だから書くネタがあるにもかかわらず「書くネタがない」という処理を頭の中で行っていたものと思われるのである。

まあ、正確には「ビビっていた」というよりも社会との距離感を計り損ねていたが故の「身体性の欠如」であるのだが、この辺は説明するのが難しくて僕自身もよくは理解していない。

ん?理解していないのによくも飄々と書けるなあってか?
ようわからんから書いてみるっていうのはアリでしょ。
勝手にことばが連なっていくこともあるわけやから。
というよりも朧気ながらにイメージされるものを書くからオモロいのであーる。

<私的伝言板
しみちょんブログ断念の候。この場所に晒すことで断罪す(ニヤリ)。