平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

長年連れ添うアイツはただいま療養中。

運転席の窓だけが開かなくなり、スイッチを上下にカチカチしてもまったく反応しなくなった。大学へと向かう途中に通る山麓バイパス鈴蘭台出口では、料金所をわずかに行き過ぎてからドアを開いて通行券を渡すという離れ技で乗り切っていたが、さすがにもう限界である。っていうか、さっさと直したらええやん、なのであるが、修理代がどのくらいかかるのか不安でもあったし、週間天気予報ではしばらく晴れマークが続いていたから、まあ今しばらくはこのままでいけるかもと、怠惰な先延ばしを敢行していたのであった。

ちょっとだけ開いたままで微動だにしなくなったため、このままでは雨が降れば水浸しになってしまうことから、自動車のトラブルや車検をいつもお任せしている【ダイハチ】にあわてて駆け込んだのであった。

購入してからもうすぐ7年になり、走行距離も9万キロを突破したのだから、少々のトラブルは致し方ない。何より長年連れ添っている愛着のある車だから最期までお付き合い願いたく、修理工場でごゆるりと癒されて元気になって戻ってくることを期待している。それでも個室に入るという贅沢はやっぱり許されることではなく、大部屋での療養になることは避けがたいことであり、せめて最小限の費用で帰ってくることを心より願っているのである。

したがって今はミニカに乗っている。

駐車場へは簡単に一発入庫できてしまうほどに小回りが利く。
アクセルを踏み込めば火を吹きやしないかと心配になるほどにエンジン音がデカイ。
後ろからは煽られるし、やたら強引に割り込んでくる車が後を立たない。
カセットデッキから流れるBGMには適度なノイズが含まれていて味がある。

何もかもが違う。当たり前だけれど。
こうしたミニカの新鮮さに触れて再確認するのが自分の車の特性。

明らかに持て余している車体の大きさ。
比較的静かなエンジン音と10個のスピーカーから流れてくるBGMの音のよさ。
そない頻繁に煽られることもなく、心穏やかに運転できる快適さ。

当然だと感じていたことにある日突然気付かされて「ハッ」とする経験である。

一日も早いお帰りを首を長くしてお待ちしておりますです。はい。