平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

SCIX春合宿を終えるとすぐに入学式。

7時40分に大阪南港に着き、そこからバスとニュートラムと地下鉄と電車を乗り継いで10時頃に無事に帰ってきました。
天候の影響で帰りのフェリーが大揺れ。
トイレに行く途中によろめいてしまうほど揺れまくり、
消灯後のベットでも身体がズルズルと動くほどだったので、
眠っていてもどこか意識があるような感じの浅い眠りのせいで、
すっかりグロッキーな状態で部屋に戻ってきたのでした。

なにはともあれ選手たちに大きな怪我人が出ることもなく
合宿を終えることができたことにホッと胸を撫で下ろしております。

SCIXで教え始めてから初めての合宿帯同ということで、
食事やバスの出発時間等の連絡などの要領もあまり把握してなくて、
それらに関しては武藤コーチの仕切りに任せっきり。
さらにグランドでは藪木コーチによるハードな指導に任せっきりだったので、
振り返ってみるとあまり何もすることがなかった合宿だったかなと思います。
しかしながらそうした立場からは選手たちのプレイをじっくりとみることができ、
さらには生活習慣をも垣間見ることができたので、
選手一人一人の「顔」がより際立つように印象づいたのは思わぬ収穫でした。

「合宿」というものを通じることによって築かれる選手同士の信頼感も、
帰る頃にはビシビシと伝わってきて何だかうれしくなり、
するとかつて自分の経験したことがふと思い出されてきて、
何とも甘酸っぱい気持ちが湧き起こっていたなあ(しみじみ)。

やっぱりねえ、合宿は大切です。
仲間同士が寝食を共にするっていうのはやっぱりいい。
つらい練習を乗り切ったという経験を共有することで生まれる連帯感は、
確実に仲間同士の絆を強くする。
これがまた心地いいんだなあ(しみじみ)。

SCIXというクラブチームが出場できる唯一の公式戦が4月の終わりに控えている。
それに向けての準備としては非常によい合宿になったと実感している。
それまでの期間は少し技術的な面を重視した練習を行っていこうと思う。
彼らの純粋なまでにラグビーに取り組む姿勢を見ていると、
試合に勝たせてやりたいという気持ちがやはり湧いてくる。
勝利至上に偏りすぎであると昨今のスポーツのあり方を批判している身としては
矛盾に過ぎる発言であることは百も承知しているけれど、
そうした色んな理屈をすっとばしてまでも勝たせてやりたいと思うのだ。
「勝利という結果」よりも「勝利を目指すこと」に意義があるのはわかっちゃいるが、それでも今は「勝利という結果」が欲しい。

論理では説明のつかない心模様が現場にはある。
その想いのままに指導にあたろう。
選手たちの熱き想いにすっかりと乗せられている僕なのであった。

そして明日は神戸親和女子大学の入学式。
いよいよ大学の先生として一歩を踏み出すことになる。
些かの期待と今も膨らみつつある不安を抱えて今日は眠ることにしよう。
っていうか自分が先生になるって自覚が全然湧いてこないのがホントのところ。
たとえ自覚があってもなくても時間は容赦なく流れていくわけだから、
とにかく目の前にあることを一つ一つ積み重ねる他はないのだけれども。
まあ、がんばりまっしょい。