平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

たくさんの人たちと言葉を交わしたこの週末。

この週末はイベントが目白押しだったので、備忘録的な意味で書き記しておきたい。

土曜日の午前中は公開講座「ジュニアスポーツアカデミー」の最終日。小学校高学年の児童を対象に本学科の先生が交替で運動指導を行うという内容で、だいたい月に2回のペースで5月から行ってきた。子どもたちとせっかく顔見知りになったのにもうこれで最後かあと、ちょっとセンチメンタルな気持ちになる。講座を通して身体を動かすことに楽しさを感じてもらえたのなら、私たち教員はうれしい限りである。

修了式を終えて慌ただしく向かったのは京都工芸繊維大学である。僕が大学時代のコーチだった先輩に声をかけられて「伝統みらい研究センターの講演会」に足を運んだのである。この研究センターが掲げる『「こつ」の定量化と、それらを生み出す身体能力の解明』というテーマに惹かれ、「こつ」という身体知をどのような手段を用いて定量化しようとしているのかという視点で各先生方のお話をうかがった。

僕自身の研究が文系であり、哲学的および現象学的に身体の不思議さに切りこもうとしているので、身体知を数値に置き換えていることにはやはり最後まで納得することはできなかった。ただ、今回は初めての出席でもあり、発表を聴かせていただくにとどまっただけなので、できればこのあたりの話については議論したいところである。「スポーツの見きわめ」というテーマでの発表の中で、運動主体の主観的意識である「わからないけれど、できる」という領野に思索が及んでいることには得心がいった。そこをいじらなければ本質的なスポーツ教育というものがなりたたない。あくまでも今の段階での僕自身の確信なのだけれど。

翌日は今シーズン初のトップリーグライブ観戦。神戸製鋼vsトヨタの試合を観るためにホームズスタジアムに足を運んだ。大学教職員の方々総勢6名で出かけたのである。VIPルームでの観戦だったので試合前には軽食を取りながら代表者の挨拶やかつてのチームメート野澤武史による「試合のみどころ」解説に耳を傾ける。玄人受けするほどの細かな説明に僕自身が「ふむふむ」と納得しながら彼の解説に聴き入っていた。

試合の方は、双方ともにプレーオフ進出がかかっているだけにあまりボールが動かない内容であった。蹴り合いと押し合いに終始した感じで、僕自身の好みから言うと物足りないゲームであった。しかも負けたのだから憮然とした気持ちになるのも仕方がないというものだろう。がんばれ!神戸!

その後は三ノ宮あたりに繰り出して一杯どころか何杯も飲む。いろいろな話を聴かせていただき、また図々しくも持論を展開させていただいたりしながら楽しい時間を過ごすことができた。やはり言葉を交わすことで開ける道というものがある。道が開ければまた意欲が湧いてくる。やるしかないという気持ちにさせてくれる。

さてまた1週間が始まった。今から明日の講義の打ち合わせがあり、それが終われば大阪まですっ飛んで行って内田先生と福岡伸一氏の対談を聴く予定。とてもとても楽しみで仕方がない。