平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

正義の人。

「正義の人」はなかなか激しい言葉を突きつけてくる。その激しさに触発されないように、腹の底に力を入れてグッと堪える。それから言葉を選んで話を返しても、またさっきとは違う角度から正義の鉄拳が振りかざされる。えーっ、今のボクの話はどこへいったのでしょーか、と驚いている暇もなく、またもやごもっともなことを告げられて、しょげる。半ば心あたる部分があるだけに傷つかずにはいられないから、しょげる。

まあいいや、ここはひとつ右から左に流すかと思い立ってみても、そううまくはいかないときもある。というか、うまくいかないときばかりだ。いつもうまくいかない。ついつい言葉を飲み込んでしまう。そうしてひとつひとつ正義の言葉を飲み込むたびに、ボクの中にある正義な部分が刺激されてだんだん憤ってくるのがわかる。そのうちに心の中に正義の言葉がポコッと生まれてきて、それを発したい衝動に駆られる。この衝動にまかせてあれこれ言葉を発してしまうと「売り言葉に買い言葉」になるんだろうな。それはいやだからグッと飲み込む。そうして負のスパイラルに陥る。うー。

分かり合うことってホントに難しい。「相手をわかる」のも難しいし「自分をわかってもらう」のも難しい。こんなことについて考えるのもまた、難しい。

ちなみにこの「正義の人」をボクはきらいじゃないのです。むしろ好きだし、尊敬もしている。だからしょげてるんだろうなあ。それにしてもいい天気です。