平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

ダラダラ感を身にまとうのは楽しきことかな。

昨日という日は何も予定がない一日だった。
目が覚めるまで寝て、遅い朝食をとりながら新聞を読む。
そのままオリンピックをダラダラと見る。
この「ダラダラと見る」というのがいい。
見るつもりなんてなかった競技にふと目が留まって「結構オモロイやん」ってなると、ちょっと得した気分になるからである。
陸上ホッケーを見ながら、この競技は股関節をきちんと折りたたまなければ腰を痛めることになりそうだなと心で呟いてみたり、女子の砲丸投げで金メダルを取ったのがニュージーランドのバレリー・ビリ選手で、オールブラックス好きの僕としてはニュージーランドには並々ならぬ親近感を抱いているので彼女の応援に精を出してみたり。
「ビリなのに一位!」などとほくそ笑んでみたりもしてたな、うん。

そして男子200mの一次予選でボルトを見て、先日の強烈な100m決勝の印象がフラッシュバックしてしまい、その興奮状態のままに書いたのが昨日のブログであった。ボルトは、昨晩行われた二次予選では相も変わらずに爆発的なスピードで圧勝していた。彼の頭の中にはプレッシャーということばはないのだろうか?という素朴な疑問が、またまたボルトの魅力を増幅させる。

そんなブログを書き終えたのは14時過ぎ。
すると、遅めの朝食に合わせたかのようにお腹が減ってきたので、これまた遅めのランチをとりに駅前の喫茶店【Grand-Pa】に行く。1年前に【Pure】が店を閉めてからというもの気分の赴くままに近所の喫茶店をまわっていたが、ふと気がつくとよく足を運ぶのはこの【Grand-Pa】になっていた。
大学に勤めだしてからというもの、家の近所にある喫茶店に足を運ぶ時間が確実に減ったので休みの日にたまに足を運ぶ程度の頻度だが、お店のおっちゃん夫婦との会話が弾むようになってから落ち着ける喫茶店として僕に登録されることになった。この日はハンバーグランチを大盛りで注文。大変美味であった。

その後は御影クラッセのメトロ書店に。
ブラブラしながら本を物色する。
一通り物色した後は同じフロアにある何とかという喫茶店に入って、購入した一冊である『誰も知らない 世界と日本のまちがい 自由と国家と資本主義 』(松岡正剛著、春秋社)を手にとって耽読。以前に紹介した『17歳のための世界と日本の見方―セイゴオ先生の人間文化講義 』(松岡正剛著、春秋社)の続編で、信長秀吉家康から後の時代の世界の成り立ちについて書かれてある(というか講義を収録したものなので「語っている」)。読めば読むほどに、自分がどれほど世界史に疎かったのかというバカさ加減に気付かされて「トホホ…」となるわけなのだが、それでもやはり「新しい視点に気付かされる」という快感は何ものにも代え難く、それは「トホホ…」という落胆を簡単に凌駕してしまうほどの気持ちよさなので、ついついページをめくってしまう。たぶん、ほとんどよくわかっていないと思われるが、今はひとまず大きな流れを掴むことを目的に読み進めることにしている。
やっぱり「知る」は「オモシロい」。

日が傾いてきたのを見計らって足早に喫茶店を出て、晩御飯の買い出しを関西スーパーで済ませてから家に帰る。そうめんを啜りながらまたまたオリンピックを「ダラダラと」見ているうちにあっという間に夜が更ける。
すかさずお風呂に入ってから早々とベッドにもぐり込む。

今日もまた昨日のような一日を過ごすつもりでいる。
大学の機関誌に載せる原稿を書かなくてはならないが、それ以外は差し当たって何もすることがない。

ああ、お盆も過ぎた今頃になってようやく夏休みなんだあという実感が湧いてきたぞ、うん。今日も脱力感たっぷりに過ごしてやろう。