平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

コラム推敲であたふた。

身体観測の〆切が明日ということで、書棚の本をつまみ読みしたり、手帳を開いて何かネタになりそうな出来事を探ったりしたが、いまいちピンとこない。ここんところの生活ぶりを振り返ってもみたが、まるで脳ミソに靄がかかっているようで何も浮かんでこない。原因は何となくわかっている。それは夕方から出かけなければならない予定が入っているからだ。その予定に気が引きずられている。これまでのことを思い返せば「このあとの予定は何もないのだがしかし今日中には書かなければならない」という情況がボクとしては望ましく、その情況を意識的に作ることでネタが思うように浮かばない日を乗り越えてきたのである。

ネタがない。いや正確に言えばネタはある。いくつもある。

肌身離さず(というのは少し誇張しすぎだけれど)持ち歩いているモレスキンの手帳には、いくつかのトピックスが途切れ途切れの言葉のままに殴り書きされている。だったらそのどれかからひとつ選んで書けばええやん、と思われるかもしれないが、そのどれもにピンとこないから苦労しているのである。書き付けたときには「これはオモロイ!」という高ぶりがあっただろうし、あったからこそ書き付けたことは間違いないのだが、いざ読み返してみたときに拍子抜けすることはよくある。確かにオモロイのだけれど、具体的なイメージがあまり湧いてこなくてテンションが下がってしまうのである。

たぶんこうやってテンションが下がる理由は、ただ単にネタがお粗末だったことも少しはあろうけれども大抵の場合はそんな単純な理由ではなくて、もう少し寝かせておけばエエ具合にダシが出るだろうという直感や、あまりにジャストひらめき過ぎたのでもう少し深めないとアカンやろという諦念がそうさせるのだろうと思う。「今じゃないよ、このネタは」という感じが拭えないためにどうにも筆が進まなくなる。何だかいっちょ前なことを書いているが、でもそうなのである。

ただ今日という日がどこに出かける予定もなくひたすら推敲に時間を費やせるならば、この状態をズルズル続けているうちにある瞬間「ピン」とくることが期待できる。ネタがつまった大鍋を火にかけながらグルグル混ぜているうちにネタがちょうど食べ頃になり、それを取り出して味つけするといった感じで原稿が書き上がる。エエ具合に食べ頃になるにはそれなりの時間がかかるということなのだ。

だから今日はもう書かないことにした。明日は朝から卒業式。その後は教職員退職記念パーティーに卒業記念パーティー、そしてその後は2次会、3次会となりそうな気配が満々で、どうやら宴三昧の一日になることは間違いなさそう。ではいつ原稿を書くのか。いつだろ?まあそのあたりは何とかなるだろう。いや何とかしよう。こうしてブログを書くうちに浮かんだネタもちらほらあるし。おそらくはそのうちの「あのこと」を書くでしょう。

どんなネタになったのかは23日火曜日の毎日新聞夕刊をご覧下さい。

できればあまり期待をせずに(えっ?)ご覧下されば有り難く存じます。