平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

受賞パーティーと数々の敗戦。

内田先生にお招きいただいて小林秀雄賞受賞パーティーに出席する。
甲南麻雀連盟会員に加えて共著者という立場での出席に、かなりくすぐったい気持ちでの東京入りとなる。
会場に着くや否や甲野善紀先生の後ろ姿が目に入ったので、すかさずご挨拶。
腰痛によりご一緒できなかった先日の不義理をお詫びする。
甲野先生と一緒におられたメガネをかけられた方はどこかでお目にかかったことがあるぞと思いきや、名越康文さんであった。テレビで見かけたこともあるし、『14歳の子を持つ親たちへ』も読んでいたから初めてお会いする気がしない。
さらにもう一人、先生がお連れの方に、桐朋高校時代に甲野先生の身体観に触れたことがきっかけとなり、今は身体性認知科学という全く新しい学問分野で研究しているモリタくんを含めた4人で、パーティーが始まる直前まであれこれと話をさせてもらう。甲野先生も、名越先生も、モリタくんも目をキラキラさせて話をされる姿がとても印象的で、話の内容もさることながら純粋にワクワクさせていただいた。
その後、山本画伯夫妻、だんじりエディター江さん、釈老師、歌う牧師の川上さんと甲南麻雀連盟先輩諸氏とも合流し、ともに会場に足を踏み入れるとファイティングキッズ平川さんと久しぶりにご対面。久しぶりに会ったのに久しぶりな感じがしなくて、なんだかニコニコとなる。

会場を見渡せば約300人くらいの人がウヨウヨとしている。
これまでの短い人生を振り返ってみると、頭の先から爪の先までラグビーというスポーツにどっぷり浸かりながら生きてきたわけで、そんな僕が体育会的雰囲気がこれっぽっちも漂わない場に立っていることになんだか不思議な気持ちになる。
そして何よりも甲南麻雀連盟会長であられる我が師のめでたい席に身を置かせていただいているという途方もない事実が僕に現実と夢のあわいを漂わせ、不思議を通り越して何が何だかわからなくなる。

ご縁というのは皆目見当が付かない不思議なものである。
内田先生、本当におめでとうございました。

翌朝は、15時から灘浜のグランドで行われる神戸製鋼トヨタ練習試合を観戦するために、10時頃の新幹線に飛び乗る。
三連休のことなど露知らずに指定席を確保していなかったために、2本やり過ごして自由席で帰ることに。
ボケーッとしていたために間違えて喫煙車に乗り込んでしまっての帰り道。
これはとてもキツかった。

部屋についてすぐにグランドに向かい試合観戦。結果は22-29で敗北。
相手はほとんど2軍だったこともあるし、なんだかピリッとしない試合内容に少々の憤りと落胆気味な気持ちになる。

そしてその夜はW杯決勝トーナメント準々決勝の試合。
我らがオールブラックスの勝利を信じて止まなかったが、なんとフランスに18-20で敗退する。気合いが漲り溌剌としたプレーをしていたわけでもなく、前半はほとんど打つ手無しのような印象を受ける戦い振りのフランスに、わけが分からないままに負けてしまったことがショックでならない。
この試合、オールブラックスがなぜフランスに負けたのか、その敗因が今でもうまく総括できないでいる。
カーター、コリンズの退場が影響したにしても、あの試合は見るに忍びない内容であった。ニュージーランド国内はショックで静まりかえっているに違いない。
そして僕も茫然自失な状態となる。

さらにさらに、この日は関西大学ラグビーが開幕する日でもあり、母校の同志社大学天理大学と対戦。ネットで結果を知って唖然とする。
なんと、14-21で敗れているではないか。
なんでも天理大学に敗れるのは32年振りのことらしい。
この凋落振りはいったいどうしたことか。
オールブラックスの敗戦ショックにさらに追い打ちをかけるような母校の敗戦に、身体中の力が抜けていくような重苦しい一日となる。

感情の起伏が激しい数日間を過ごし、そして今日になる。
今日はなーんにも予定がない。
だから今日はなーんにもしないぞ。修論以外は。