平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

また今年も新学期が始まったのである。

3連休が明けてからというもの更新がフンづまり状態で、あれやこれやとしているうちにいつのまにやら4月に入って、新年度のスタートとなった。そのあれやこれやを備忘として少しだけ書いておくことにすると、ここでもお知らせしていた通り、29日に第2回ラグビー学会での発表を行った。発表内容については随分と自信があったのだけれど、発表の仕方がてんで悪くてあまり伝わらなかったであろうという感じがあって、がっくりしている。経験を、経験のままに語ることなく、経験から導き出されたお話として提示しようとし過ぎたきらいがあったかもしれないと、今になって思っているが、まさに後の祭りである。次の機会にはもう少しマシな発表ができるようにがんばってみよう。

確かに発表のウケは悪かったのだけれど、発表内容については興味を抱いてくれる人もいて、来月のラグビークリニックに今回の発表についての談話が掲載される運びとなった。なにがどこにどうウケるかは、なんとも予測がつかないものである。発売前にはまた告知するので、ぜひ手にとって見て下さい。発表の時みたいに堅苦しいものではなく、インタビュー形式でざっくばらんに話したので、あのときよりもわかりやすい内容になるだろうし、自分で言うのもなんだけれど、オモシロいと思います(なんて)。

ラグビー学会ではいろいろな方と話ができて、懇親会まで参加したのだけれど、とても有意義な時間を過ごさせていただいたと感じている。ラグビーを学問する場に身を置いてみて、かつて自分が選手であったことの重みが増したり、また反対に軽くなったりするのを感じることができたからである。重みを増したり軽くなったりという、アンビバレントな感情が芽生えたのはなぜなのかについて、今の段階ではうまく言い表すことが出来ないけれど、とにかくそのように感じたのは紛れもない事実で、僕が感じたそうした何かは、アスリート選手が現役引退後に抱く心模様として、一つのケーススタディになるだろうと思う。「現役を引退したアスリート選手当事者研究」ってな視点は、ちょっとオモシロい(僕だけかもしれないが)。今日のところはこれ以上書くつもりはないけれども、心のどこかに引っ掛けておきたい一つの実感であり、経験であることは間違いない。もったいぶってすまない。

そんなラグビー学会を終えてからは、身体運動研究会でのお勉強や、久方ぶりに甲南麻雀例会に参加したり、母とお墓参りに行ったりと、比較的ゆったりとした時間を過ごしていた。なので、時間的にはブログを更新できたはずなのになかなか筆が進まなかったのは、あきらかに精神的な問題だろう。ま、あせることなくのんびりやっていこう。
 

さて、昨日は入学式。あれからもう1年が過ぎたのかと、ついこの前まで高校生だった学生たちの様子を眺めながら感慨にふける。「先生!」と呼ばれることに少々の戸惑いと照れくささを感じていた1年前とは、心模様が全く違う。その状態をして「余裕ができた」というのか「慣れた」というのかは、いまいちよくわからずにいるけれど、とにもかくにも平尾先生の2年目がスタートしたというわけである。

そして入学式後は先生方や職員の方々と例の如く街に繰り出す。お酒を煽りながら陽の高いうちからあーだこーだと話しまくる中で、以前からこのブログを覗いてくれているMさんに「最近、ブログが更新されてまへんなあ」と突っ込まれる。言い訳じみた言い訳をボソボソとしつつ、更新頻度を上げる決意を心の中でしていると、違うMさんからは「私も見てますよ」と言われて思わずドキリ。そして「先生、ブログしてはるんや」的発言を独り言な感じでのたまうNさんがいて、おそらくNさんは今日あたりこのブログに辿りついていることが予測される。意外にも周りにいる人がこのブログを読んでくれていることに気づかされて、背筋が伸びる。とは言っても、背筋を伸ばし過ぎて杓子定規な内容になってもオモシロくないので(最近、そうした傾向にあることは自覚しているものの、なかなかうまくは書けない…難しい)、少々乱暴な感じに書き殴っていこうと決意する、今日この頃なのである。

明日は朝から新入生の履修登録。そして夜は新任教員歓迎会(また飲むんかい!)。来週から始まる講義の準備も予定通りには捗っておらず、ニンともカンともな感じだけれども、新年度の突入に心が躍らないわけがなく、とにもかくにも「さあやるかあ」と意気込んでみてはいる。