平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

2020年4月15日。

オンラインでの遠隔授業の準備で日々が忙殺される。課題の設定や資料の作成、ゼミ生への連絡などなど、やるべきことが山積していて、あっという間に1日が過ぎ去ってゆく。その合間を縫って心のケアをすべく読書を進めているのだが、午前中に読み終えた『これからの大学』(松村圭一郎著・春秋社)はまさにズシンと心に響く一冊だった。

おこがましいのだけれど、僕が大学教員になってずっと疑問に感じていたことと、その疑問に従って思索を続けてきたことが、平易な表現で見事に表現されている。そう感じた。教育と研究は切り離せないものだとか、限界の向こう側に辿り着くためにはどうすればよいのかだとかが、文化人類学を入り口にしてとてもわかりやすく書かれている。これから慣れないオンライン授業をするというタイミングで読めたことがうれしい。松村さんが指し示してくれた道を確認しながら、遠隔授業に取り組んでいきたいと思う。

そういえば今日は確定申告を済ませた。ひとつ肩の荷が降りてホッとしている。「マスク2枚に466億円」とか、限定的な休業補償とか、現政権の税金の使い道に怒りが収まらないなかで書類を作ったものだから例年以上に疲れたものの、やるべきことをひとつ終えたのでひとまずよしとしておく。

リーダーシップのないリーダーが率いる集団がどれだけ悲惨かを今まさに経験している。ラグビー選手だった時代に嫌というほど経験しているだけに免疫はあったものの、今経験しているのはスポーツの話ではない。スポーツなら試合に負けるだけで、生活の一部であるスポーツ活動における苦難にすぎないが、今直面しているのは僕たちの生活に直接関わる話だから頭が痛い。たまらない。日に日に心が怒りで満たされ、それに伴ってからだが硬直してゆくのがわかる。

深呼吸をして、ストレッチや腕立てやスクワットなど室内での運動を心がけながら、心身を整えなければと思う。