平尾剛のCANVAS DIALY

日々の雑感。思考の痕跡を残しておくために。

2010-01-01から1年間の記事一覧

無意識の中でのせめぎ合い。

ほんまにエエ天気続きだったゴールデンウィークが終わろうとしている。4月の終わりあたりに少し煮詰まっていた感じがあったのでこの休みはとことん緩めてやろうと、昔からの友人と会って酒を飲む機会をつくり、読む本もできる限り研究や講義とは関係のない…

「子どもは日に日に成長する」身体観測第93回目。

最寄り駅の階段で微笑ましい光景をみた。まだ歩くのも覚束ないほどに幼い男の子は、足を大きく振り上げながら一段一段ゆっくりと階段を上っていく。その傍らで転びそうなときはいつでも手を差しのべようと構えるおじいちゃん。温かな視線が注がれているなど…

運営サイドと「トップ・トップアスリート」の共犯関係。

講義を終えたばかりの研究室で、すっかりほったらかしにしていたブログを書き始めてみた。これだけ更新が滞ると書き始めるまでに何らかの決意が必要になる。これまでの経験がそう言っている。だからこうして書き始めたということは何らかの決意をしたはずな…

背中と腰の境目をめぐりながら痛みの効用を考える。

新年度が始まって2週目も半ばを終えた。今週は金曜日にひとコマだけだ。先ほど終えた授業は「ラグビー」。ほとんど未経験な学生たちを前にラグビーを教えるのはとても骨が折れる。専門用語をつい口走りそうになるのでそれを抑制するのに気を使うわけである…

「アスリートとしての自覚」身体観測第92回目。

ラグビー時代のある後輩と「オレらの世界には心から尊敬できる人物って少なくないか?」という話になった。圧倒的なパフォーマンスを発揮する人物はたくさんいる。自分にできないプレーをいとも簡単に披露する人物には憧れを抱くも、心から尊敬できるかどう…

身体に染み付く固定観念がまたひとつ落ちる。

眠らなきゃいけない。きちんと睡眠をとらなければならないと思い始めたのはいつの頃からだろう。たぶんあの頃だろうな、という見当はついている。22時から2時まではたくさんの成長ホルモンが分泌されるから、カラダを大きくしたければこの時間は眠りなさいと…

「大学時代を振り返って」身体観測第91回目。

久しぶりに大学時代の同級生で集まった。当時ヘッドコーチだった白川佳朗氏を囲んでの同窓会は、当然のようにラグビー談義に花が咲いた。関西リーグ5位という同志社史上最低の戦績だった僕たちの学年を、白川さんは「5位チーム」と揶揄する。からかいの裏…

新年度早々、楽しさに気付く。

4月に入って自ずと気持ちが切り替わった。入学式が終わりたくさんの新入生と対面したこともあるけれど、それよりも学内の雰囲気ががらりと変わったことが影響している。クラブに勧誘しようと上級生たちが意気揚々とビラを配り、戸惑いながらも恐る恐るビラ…

「この日の学校 in Osaka」に行く。

今、ボクの心の中はただならぬ混沌のうちにある。いてもたってもいられないという気持ちと、ただ立ちつくすしかないだろうという気持ちがごちゃ混ぜになっている。あまりに圧倒的な知性に出会って心底から尊敬の念が湧き起こるのと同時に、今の自分の体たら…

履修登録説明会と講義の準備。

新3年生の履修登録説明会。学生たちは教職課程で必要な科目をチェックし、卒業要件単位を満たすように各自が科目を選択する。その様子を眺めながら学生の質問に備えるのがボクの仕事である。ここまで懇切丁寧に説明をしなくても彼女たちは理解しているだろ…

コラム推敲であたふた。

身体観測の〆切が明日ということで、書棚の本をつまみ読みしたり、手帳を開いて何かネタになりそうな出来事を探ったりしたが、いまいちピンとこない。ここんところの生活ぶりを振り返ってもみたが、まるで脳ミソに靄がかかっているようで何も浮かんでこない…

追い込み型指導は一つのソリューション。

今日は朝から研究室に缶ヅメで論文を書く。テーマは「子どものスポーツ教育が目指すべき方向性について―追い込み型指導の是非を問うー」。こうしてカタめのテーマを作らなアカンところが今でもまだ馴染めずにいる。論文っていったい何なんでしょうかねえ、と…

「スポーツ運動学会で」身体観測第90回目。

第23回日本スポーツ運動学会でシンポジストを務めることになった。大会テーマは「現場に生きるスポーツ運動学」。ラクロス部の顧問を務める私は、未経験のスポーツを教えるという視点から実際の指導事例を紹介しつつ話をすることにした。 未経験のスポーツを…

ツイッター、デビュー。

ラクロス部OG総会に顔を出すため土曜日なのに研究室にいる。なんだかすっきりとしない空模様に、背中から腰のあたりが何やら不穏な感じがするのはいつものことである。こんな日は肩甲骨のところと腰のあたりにカイロを貼ってなんとかやりすごすようにして…

長いあいだお疲れさまでした。

シンポジストを務めた日本スポーツ運動学会が終わり、ホッと一息をついている。大会テーマの「現場に生きるスポーツ運動学」に沿ってボクが話をしたのは、全く未経験のスポーツを教える際の試行錯誤についてである。本校ラクロス部のお気楽コーチぶりを学問…

「上村愛子選手」身体観測第89回目。

バンクーバー冬季五輪の話題が世間を賑わせている。 大会初のメダルを日本にもたらしたのはスピードスケート男子500mの長島圭一郎選手と加藤条治選手。それから男子フィギュアスケート史上初となるメダル獲得を果たした高橋大輔選手には心から拍手を送りた…

スキー実習が終了。次は発表準備だ。

スキー実習が無事に終わった。 これで2009年度の担当授業はすべて終了。やっと一息つける。 と思いきや、今週末に行われる第23回日本スポーツ運動学会ではシンポジストを務めるので、その準備にすぐにでも取り掛からなくてはならない。正直なところほとんど…

【THIRD ROW】は神戸のラグビーバーです。

なんと東芝ブレイブルーパスがトヨタ自動車ヴェルブリッツに負けてしまった。試合を観ていないので何とも言えないが(現在外装工事中でケーブルテレビが観られないのである)、まさか負けるとは想像してなかった。【THIRD ROW】のカネムラさんがブログでトヨ…

『井上雄彦 最後のマンガ展 大阪版』に行く。

先日『井上雄彦 最後のマンガ展 大阪版』に行ってきた。上野美術館で催されたときには足を運べそうにないことを薄々感じながら「行きたい」と思い、続く熊本のときはほとんどその気になりながら「行こうかな」と悩んで、結局どちらにも足を運ばなかった。井…

「お酒とのつき合い方」身体観測第88回目。

酒席を共にした初対面の方からは必ずといっていいほど「たくさんお酒を飲まれるのでしょうね」と訊ねられる。私を体育会育ちの人間だと見込んでの発言だろうが、返答にはいつも窮してしまう。飲めないことはないが、浴びるほど飲むわけでもない。好きかと言…

邪悪なものよ、しずまれーい。

今まさに『邪悪なものの鎮め方 』(内田樹、木星叢書)を読んでいる影響からか、身の回りに存在する「邪悪なもの」への感度が上がっている。さほど注意を払わなくてもそこらあたりに「邪悪なもの」が存在している現実に、とても驚かされる。「邪悪なもの」が…

寂しさをスパイスに3人で考える、ちゅうことか。

郵便局からクリーニング屋さんを経て銀行に立ち寄る。生活の上で必要な用事のあれこれを済ませてから大学に来ると、まず手につけたのは秋学期の成績つけ。秋学期はほとんどが実技だったので、ものの3時間ほどで5コマ分をつけ終える。ホッとする。次年度の…

「胆力」をつけるにはどうすればよいか…。

いつもよりも静かな雰囲気が漂う学内で思考に耽っている。秋学期が終わり、旧暦でいうところの新年初日の今日は、次年度に担当する講義内容をシラバスにまとめなければならない。大まかにはイメージできているのだが、細かく書き出すにはまだ至っていない。…

「意外にもシンプル」身体観測第87回目。

大学では『ラグビー』という実技を担当している。ほぼ未経験者である女子学生に教えるのは思いのほか難しく、悪戦苦闘している。あまりに身体化しているせいで何から教えればいいのかよくわからないというのが正直なところで、どうやらその道に長けているか…

練られた正直さ。

また1週間が始まった。気がつけば1月も最終週に突入。明後日の水曜日で秋学期が終わるのだから本当に早いものである。今週末はトップリーグのプレーオフファイナル、東芝ブレイブルーパスと三洋電機ワイルドナイツというカードになった。昨日行われた準決…

「しなやかだった東福岡」身体観測第86回目。

第89回全国高校ラグビー大会は、東福岡が圧倒的な力で優勝を飾った。決勝戦までの5試合で奪ったトライは43、総得点274点は大会史上最多得点記録である。選抜大会と国体も優勝、昨春のワールドラグビーユース交流大会では、フランスのチームに8点差で敗れは…

センター試験が無事に終了、またまた『バガボンド』にあたる。

1週間ぶりの更新である。というより、すっかりと週刊化しているこのブログであるが、それでもたくさんの方の来訪があるようでとても有り難い。2010年になるかならないあたりからアクセス数が跳ね上がっているのはなぜだかよくわからないけれど、以前よ…

ラグビーを教えるってことは。

今日は朝から研究室に来る。年明け早々、スキー指導者研修会に行ってたものだから、明日から始まる授業の準備や3月に控えている学会での発表要旨がまったくの手つかずだったのである。研究室に到着してすぐは散らばったままの書類を片付けたり、メールの返…

謹賀新年。

ラグビー大学選手権準決勝の2試合を見届けてさきほど実家から帰ってきた。決勝は東海大学VS帝京大学という、どちらが勝っても初優勝という対戦カード。早慶明(と同志社)の伝統校以外で日本一を争うという事態は、大学ラグビー界に新しい時代の到来を予感さ…